番外編 Raul side ページ37
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彼女の印象？
えーっとねぇ。
桜の花びらみたいな人……かなぁ。
出会った時から優しくて人見知りな俺にもすごくナチュラルに話しかけてくれて、気付いたらとっても仲良しになってたの。
ただ、いっつも楽しそうに絵を描いてるのに、時々とっても寂しそうな顔をすることがすごく心配だった。
どうかしたの？って聞いたけど、「大丈夫だよ」って答えじゃない回答をされちゃって結局理由は教えてもらえなくて。俺がもっと大人だったら話してもらえたのかな……って考えても仕方ないけどさ。
だからね？これ以上Aちゃんに悲しいことが起きませんようにってこっそり祈ってたりしたんだ。
＊
＊
＊
「＿＿＿くん？ラウールくんっ」
ラウ「！」
鈴の音のように心地よい声。
だいすきなその音は、彼女のもの。
その声に引き寄せられるように意識を戻すと、俺は美術室の中の定位置にいた。
すっかり暗くなった外と周りの片付け始めている音で、段々と意識を取り戻す。
＿＿＿あ、いつの間にか部活、終わったんだ。
「今日、今年度最後の部活だから、作品は一旦持って帰れって部長が話してたよ。」
さっきの声の主であり、心配そうに俺をのぞき込みながらそう説明するのはAちゃん。
同じ学年で頭が良くてかわいくて。
入学式の時にこんな陰キャな俺のグループですら巻き込んで、ちょっぴり男子の間で話題になった人。
ラウ「あー、、ごめん。なんか魂抜けてたみたい。」
「ふふ、大丈夫？あ、ほら、早く片付けないと！部長が扉の前でプレッシャーかけてるから。」
ラウ「わ！ほんとだ！」
扉の前で仁王立ちする先輩を見ながら、二人でこっそり笑い合う。
それから片付け途中だったらしいAちゃんと一緒に隣の部屋の準備室に入った。
俺達の作品が貯められているそこは、絵の具や鉛筆の少し独特の香りがする。俺のお気に入りの場所のひとつ。
自分の荷物を片付け終えて振り返ると、なんだかとても懐かしそうに自分の作品を見て微笑んでいる彼女。
まあ俺も自分で描いたデッサンに満足することは希にあるけど。
今のAちゃんみたいな何かを懐かしむような顔はできないな。
どんな絵なんだろう？とのぞき込んだ彼女の手元にあったのは、一時期SNSで俺と彼女が騒がれた康二くんの写真に残っていた絵だった。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
