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……ふっか、泣いてるの？
そう思ったけど、声はかけられなかった。
そんな風に人を気遣う余力はなかった。
そしたら、いきなりふっかが俺の布団を剥ぎ取ってきた。
あぁ、ふっかも少し痩せた？なんて、久しぶりに友達の顔を見てそんな風に思った。
深澤「なぁ。もうそろそろ、阿部ちゃんも学校行こうよ。」
優しく諭すように話しかけられる声すらも煩わしかった。
学校なんてどうでもいい。
もう彼女は居ないんだから。
深澤「白雪高校目指すって言ってたじゃん？そろそろ授業出ないと勉強わかんなくなるぞ〜？」
いつものように軽口叩いてくるのにつっこむ元気なんかない。
どうでもいいんだよ、高校なんて。その先だって。
もう彼女とは通えないんだから。
天国に行ければAに会えるんだろうか。
また、一緒にご飯を食べて、学校に行って、笑い合えるんだろうか。
側に居たかっただけなんだ。
贅沢なことなんて望まないから。
阿部「Aに会いたい……」
それだけでいい。
それだけでいいのに。
それすら出来ないというのなら。
阿部「…死んだら会えるかな」
そう零した時だった。
深澤「っ、ふざけんな！！！阿部ちゃんがいつまでもそんなんじゃ天国のAが浮かばれないだろ！」
それまで冷静だったふっかはそう怒鳴って、寝ている俺に馬乗りになって胸ぐらを掴んだ。
俺は、来るであろう頬の痛みを想像していたのに、ふっかはそのまま動かなくなってしまって。
代わりに頬に落ちてきたのは、冷たい雫。
深澤「Aが居なくなって、悲しいのは自分だけだと思ってんのかよ？そんなわけねぇだろ。」
ポツリポツリとふっかが話す度に、俺の頬にはふっかの目からこぼれ落ちた雫が落ちていく。
深澤「俺だって毎日Aに会いたくてたまんねぇよ。だけどAが俺らが毎日泣いて過ごすのを望むと思う？」
深澤「Aは阿部ちゃんのこと大好きだったじゃん。だから、阿部ちゃんには誰より元気でいる責任があるんだよ。」
深澤「っ、俺も頑張るから、さ？阿部ちゃんも、頑張ってよ……」
「……怒鳴ってごめん。」と呟いて俺の上から降りたふっかは、そこから俺さえも引くほど、泣いていた。
その涙につられて、俺も泣いて。
何が変わったわけじゃないけど、そこから、俺は前を向いて生きていこうって。
ふっかと一緒に頑張ろうと思ったんだ。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
