Christmas Story【雪】

今宵、雪の降る確率は【緑】 ページ8

*＊








「ホワイトクリスマスって幻想的で良いよね。」







俺の彼女は毎年そんなことを言う。


今年も天気図を見る限り雪は降りそうにない。


むしろ快晴。99%晴れだ。





俺だって神様じゃないから雪なんか降らせてあげられない。


そんな彼女に、どうやってホワイトクリスマスをプレゼントするか、毎年頭を悩ませている。









亮「....どうしよっかなぁ。」









ポツリと呟いた俺を不思議そうに見る佐久間。









大「どったのあべちゃん。元気ないじゃん。」


亮「佐久間だったらさ、どうやって雪降らせる？」


大「雪ぃ？んにゃははは、めずらしー！あべちゃんが非現実的なこと言ってる！」









ケラケラと笑う佐久間はどうやら考えがあるようだった。








亮「何？良い方法って。」


大「てるてる坊主だよ！」


亮「てるてる坊主？あれは雨が降らないようにってお願いするジンクスみたいなもんで....」


大「ちーがーうーの！てるてる坊主を雪だるまバージョンにすんだよ！そうすると雪降んの！まじで！

俺、小さい時どうしても雪合戦したくて兄弟で雪だるまバージョンのてるてる坊主作ったことあってさぁ。

次の日起きたらちゃんと雪降ったんだよ！まぁ、雪合戦出来るほど積りはしなかったけど。」


亮「そんな非現実的なこと....」


大「まぁまぁ、やるだけタダじゃん？」









そう佐久間に促され、仕事帰りに立ち寄ったのは100円ショップ。









亮「....まじで俺何やってんだろ、」









携帯片手に雪だるま型のてるてる坊主の作り方なんか検索しちゃって。








亮「フェルト、あとは括る用の紐と、」








次々とアイテムをカゴに放り込んでいった。






.

＿→←＿

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す