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康「A!」
「こーじくん、」
俺は慌てて彼女に駆け寄った。
康「あーーーーーごめんごめんごめん!寒かったよなぁ、ごめんなぁ、」
冷え切った身体を温めるように必死に抱き締めた。
康「ほんまごめん!仕事が長引いて、携帯の充電も切れてしもて、連絡出来ひんかった.....」
黙ったままの彼女。
そら、怒っとるわな、
呆れられてもおかしくない。
こんな寒い日の夜に外で2時間も待たせて、
最低や....
「...た、」
康「え?なに?寒い?」
俺はつけてたマフラーを彼女の首にぐるぐる巻きにする。
「ちがう、こーじくんが連絡くれないから、」
彼女はうるうると瞳を揺らした。
「何か、あったのかと思っ、た、」
ポロポロと涙を流した彼女。
康「え.....」
「怖くて、動けなかった、」
ぎゅっと背中に手が回る。
まるで俺の存在を確かめるように。
康「ごめん、俺なんも考えてなかった。そんな不安になっとるって知らんくて、」
「いいの。こーじくんがちゃんと来てくれたから、それでもう。」
俺は彼女の腕に応えるように更にぎゅっと抱き締めた。
「こーじくんも冷たいよ、」
康「うん。走ってきたからな、」
「走ってきてくれたの?」
康「うん。早くAに会いたかったから。」
「だからこんなに鼻真っ赤なんだね。」
康「えっ、鼻赤い?」
「うん。赤い。ふふ、」
康「何?」
「ううん。サンタさんじゃなくてトナカイさんが来たなって思って。」
康「赤鼻やからってこと?誰が赤鼻のムカイさんやねん!クリスマスプレゼント座布団にしたろか?」
「えぇ!やだぁ!」
康「冗談やって!」
ケラケラと笑う彼女。
少しは不安だった気持ちを取り除けただろうか。
待たせた分、目一杯楽しませたるからな。
こんな抱き合ったまま微笑みあって、ただのバカップルやんな。
周りの目?そんなん知らん知らん。
赤鼻のトナカイさん【橙】 fin.
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cleam(プロフ) - お風呂場の狸さん» ★5回も....!嬉しいです!ありがとうございます^^舘さんのお話、最後まで悩んでた物だったので皆様の反響があって安心しました( ;∀;) (2021年1月13日 21時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
お風呂場の狸(プロフ) - ひぃ……( ;∀;)全て最高によすぎて★5連打しました……特に館さまが好みすぎで昇天物でした……ありがとうございます( ;∀;) (2021年1月13日 12時) (レス) id: 2489012008 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ひかり@かんざわみつきさん» リクエストありがとうございました!短くなってしまって申し訳ないです(´・_・`)楽しんでいただけて良かったです^^多分年始になりますが、また読んでもらえたら嬉しいです(^^) (2020年12月30日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - しょくぱんさん» そうなんです!リクエスト頂いたので、短い物なのですが書かせていただきました!いわだての2人は特にいつものキャラとは少し違う風にしてみたので、そう言っていただけて嬉しいです! (2020年12月30日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり@かんざわみつき(プロフ) - 続編ありがとうございます! 個人的にはいわふかさくがよかったです(´;ω;`) また次回作も楽しみに待ってます! (2020年12月30日 8時) (レス) id: d3e27ff741 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cleam | 作成日時:2020年12月24日 21時