Marionette《目黒

Story…33《End》 ページ33

『…笑ってくれた』


目黒
『そりゃ笑うって。

…Aが俺のことをここまで想ってくれて
駆け寄ってきてくれる、その姿が可愛すぎるから。』






『もう…っ』



目黒
『…心配かけて本当に悪かった。』


『ううん…っ』


目黒
『…俺の目、見て。』





涙で酷い顔になってるはずなのに

彼は出会った頃のように

強くも優しい瞳で
私を愛おしそうに見つめる。




目黒
『…愛してる。』


『…っ』





目黒
『…ずっと俺の隣で笑ってて』





彼と出会わなければ

この人生はきっと

忘れたくて消したいものだった。



彼が本気で向き合ってくれなければ

見捨てずにいてくれなければ

私がこんなに幸せを感じることもなかった。





目黒
『…あ、そういえば今日だったな』


『何が…？？』





ｺﾝｺﾝｯ


目黒
『入っていいよ』



ｶﾞﾁｬｯ



『岩本さん…！』



執事の岩本さんがずっと不在な理由は
何度聞いてもはぐらかされていて。



岩本
『お久しぶりでした。』


目黒
『わがまま言って悪かったわ』


岩本
『…執事をなんだと思われてるのか。

…まぁ、いいでしょう。』





岩本さんが合図をすると

部屋の中に真っ白なドレスを持つ人たち。




『蓮、これは…』


目黒
『俺と結婚して欲しい。』



…その言葉は今まで起きてきたこと、
すべてを温かく包み込むようだった。



『お願いします…っ』



目黒
『…こちらこそ。』




…生きててよかったよ。






ーーーーーーーーーEnd

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