Marionette《目黒

Story…25 ページ25

北山
『…お付き合い？』


『お兄ちゃん？』


北山
『…Aは忘れたの？

お兄ちゃんが好きだって言ってただろ。

お兄ちゃんと…結婚するって。』





私の幼い頃の記憶が
だんだんしっかり浮かんでくる。



『お兄…ちゃん…っ』



感動の再会のはずだった。

ずっと会いたかった。



唯一信じられたはずの。




目黒
『…どういう事だよ』



北山
『…今すぐ別れなさい。お兄ちゃんと一緒に暮らそう。』



『待って…』






伸びてきた手から守るように
私を彼は背中に隠す。



北山
『なんのつもりでしょう？』


目黒
『…こっちの台詞ですけど』




お兄ちゃんの目を見て思い出した。





(回想)



『お兄ちゃん、どうして一緒なの？』


北山
『…Aを守るためだよ？
…誰にも渡したくないから』





(今)

『…っ』


北山
『帰ろう？』



急に怖くなって
カラダが動かない。



『…っ、蓮…っ』



…そして初めて呼んだ。


『…蓮のそばにいたいよっ…』



目黒
『…っ』

Story…26→←Story…24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す