僕の居場所 4【男主】 (ページ40)

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Nisihata said

スタッフさんから呼ばれて、確認をした後俺は舞台裏から客席を覗いていた。

…ごめんな、苦しい思いさせてもうてるよな。
俺は、そんな思いを抱えていた。

西「…」

「懐かしいね、この舞台裏」

そんな思いを抱えいると、後ろからAくんの声が聞こえた。

西「懐かしい…？」

「うん、ちょうど1年くらい前かな、この場所で大吾とタメ語で話すことになったなぁ、って」

そういえば、そうだった。
1年くらい前のこと、松竹座のこの舞台裏で俺とAくんはタメで話すことになったんだった。

西「そん時さ、ほんまにAくん、わがままやったよな、康ちゃんはタメなのに僕だけ敬語なの嫌！って言うて、そん時の顔今でも覚えとるよ」

「だって、一応僕も関西では康ちゃんと同期なんよ？それなのにタメ語やないって嫌やったんやもん」

西「ふはっ、笑」

そう言うとAくんは俺の隣に来て、一緒に客席を見つめた。

「大吾さ、すごい緊張してるやろ」

西「え、？」

Aくんは客席を見ながらそう言った。

実際はほんとに俺は緊張していた。
なにわ男子が結成されて、初のお披露目やし、なんといっても"センター"やからこそ、ほんまに緊張していた。

やけど、俺はそれを隠していた。
センターの人間が緊張して、上手く出来なかったなんてそんなことは嫌やし、許されへん。

そう思ったら、緊張も隠していかないといけないと思った。

「そんなに深く考える必要はないよ、センターだからとか、そんなの気にしないで、大吾らしく立ち向かってよ」

西「…、」

「大吾なら大丈夫、ううん、大吾だからいけるんだよ」

西「…！」

Aくんはずっと客席を見つめていた視線を俺に移し、しっかりと目を見つめるとふわりと微笑んだ。

「んまぁ？大吾たち、なにわ男子には売れてもらわないと困るからさ、笑」

西「…Aくん、おれ、頑張れそうです、」

「そっか、なら良かった」

そう言って笑ったAくんに、俺は覚悟を決めて言葉を発した。

西「……Aくん、康ちゃんと早く仲直りしてな、？」

「…っ、」

俺がそう言うと、一瞬苦しそうな顔をしたあと切なそうな顔をしたAくんは、俺の頭をポンポンと撫でると、

「…ごめんね、大吾まで迷惑かけちゃって、早めに仲直りするね」

そう言うと、Aくんはスタッフさんに呼ばれてしまい、そのスタッフさんのところに向かった。