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Mukai said
あの大喧嘩の日から数日がたった。
けれど、俺はまだAとは話せないままだった。
Aは、今回も秋松竹の構成を大倉くんと横山くんと一緒に考えてるし
研修生たちのレッスン、そして、東京でのお仕事。
Aはめっちゃ多忙な日々を送ってるから、俺も変に話しかけれなくて、
そのまま俺とAは気まずいままやった。
…いい加減、仲直りしたいねんけどなぁ。
けど、Aとは目線が合わへんし、俺も気まずくて合わせられない。
向「はぁ…、」
思わずため息が出る。
って、俺ここ最近ため息つきすぎやろ…、
ため息ついたら幸せ逃げる言うてるん俺やのにな…、笑
そんな日々が続き、ついに秋松竹の初日を迎えてしまった。
ライブが始まる前、舞台裏で客席を見ながら待機していた。
…このライブに来てくれたファンの子達はどんな思いをして、ここに足を運んでくれたんやろ。
複雑な思いを抱いて来てくれたんやろうな…。
そう考えると、申し訳なさで胸がいっぱいになった。
高「康二くん…、」
向「ん、？って恭平か、どしたん？」
すると、先程まで楽屋にいた恭平が俺の後ろにいた。
俺が振り向くと、ぎゅっと拳を握り締めて口を開いた。
高「直球で申し訳ないんですけど、Aくんと早く仲直りしてください、」
そう言った恭平は、少し潤んだ瞳をしていた。
向「そのこと、誰から聞いたん…、」
高「誰からも聞いてないです、雰囲気です、それと2人とも前みたいに目が合って笑うってことしてないんですもん、こんなん誰でもも分かります。」
知らずに知らずの内に、俺とAの行動を後輩に知られていて、それを逆手にとられてしまった。
…バレてへんと思っててんけどなぁ。
高「お願いします」
そう言って頭を下げた恭平。
後輩に頭下げさせるなんて先輩失格やな、それも自分達の問題で…。
向「ごめんな、無理させてもうて、でも早く仲直りできるように頑張るわ、」
高「…お願いします、」
恭平はそれだけ言うと、俺に抱きついてきた。
向「っお、どしたん、」
高「2人ともほんとに大好きなんで、仲直りしてもらわないと俺が困るで、」
向「…、」
高「んじゃあ、康二くん、今日は頑張りましょうね！」
そう言った恭平の顔はさっきと変わって安心したのか、少し柔らかい表情になっていた。
向「…っ、」
そして、向こう側の舞台裏にはAと大ちゃんがおった。
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作者名：suger | 作成日時：2021年12月5日 7時
