切り込み隊長、体調不良であります！ ［後編］

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佐「ふっかも。
ふっかは最年長だからってさ、すごく気負って周りのこと見てくれてるの、おれ知ってるけど。
けど、だからっておれのことまで責任負わなくていいんだよ」




ラウのことを誰よりも心配してたのは、多分ふっかで。






MCとか、最年長としてとか、いっぱいやらなきゃいけないことがある中でも常にでラウのことを気にしてた。





と同時に、ラウのことが心配なあまりいつもの自分が出せてなかった康二に声を掛けたり、いつも以上にスタッフさんと連携を取ったりと周りに目を向けることも怠らなかった。








佐「ふっかの役割は、ふっかにしかできないよ。

……普段言わないけど、……尊敬、してる」





熱のせいか、なんだか今日は素直に言える気がして。



まっすぐに目を見つめて言ったら、ふっかの黒い瞳がゆらりと揺れた。







深「佐久間の役割も佐久間にしかできないから。
俺こそ、佐久間がふざけてるようでいつも周りを見てること、尊敬してる。


……だから、早く治してまたいつもみたいに騒がしくしろよ」





さっと目線をそらしたふっかが、早口で言う。








微笑んだ涼太が、ぱきりと開けた真新しいペットボトルを手渡してくれた。




舘「みんな他人優先すぎるんだよ。

照、ふっか、ラウール、康二も、……もちろん佐久間も」






口に含んだ液体は、甘くてしょっぱいスポーツドリンク。








目「まぁ、それが『らしい』っすけどね。

8人は1人のために、1人は8人のために。
そんな俺らだからこそ、この9人でずっと歩んでいける」





阿「そう。……だからまずは、ちゃんと9人が元気にそろわなくちゃね？」








みんなの言葉が、なんだかすごく温かく感じる。









おれの膝の上に乗ったひかるの手に触れたら、ぎゅっと握り返された。

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