時々、狼 (ページ13)

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目「今日のお礼」

って、蓮くんが奢ってくれたタピオカを飲みながらの帰り道

もう外は暗くなっている

目「岩本先輩になんて言ったの？」

『蓮くんとお買い物行ってくるねって言った』

目「許してくれたの？」

『いつもムスッとしながらいいよって言ってくれる』

目「想像出来るのが怖え～」

リュックを背負って右手をポッケに突っ込んで

タピオカ片手に歩く蓮くんはまるでモデルだ

目「てかずっと聞きたかったんだけど」

『うん？』

目「先輩って彼女作ったことあんの？Aが彼氏いない歴15年なのは知ってるけど」

『いや誰のせいだ』

目「俺だね。いや俺じゃねえわ！…で、あんの？」

『照くんのそういう話、あんま聞かない。けど…』

目「けど？」

『いつも一緒にいる女の先輩はいるかな』

目「あー…でもあの人阿部先生の取り巻きじゃない？」

『うん…。そうなんだけど、照くんと仲良い女の先輩、あの人しか知らないから…』

しかも噂によれば照くんのこと、好きって…

阿部先生は顔が好きだからって、聞いた事ある

目「……俺、深澤先輩に聞いてみよっか？」

『えっ、なんで辰哉くんの名前…』

目「あー、バイト先同じなんだよね。明日シフト被ってるから帰りにそれとなく聞いてみるわ」

わたしの家の前に着き、

飲み終わったタピオカをわたしの手から取ると

目「これ、ついでに捨てとくわ。んじゃ、今日はありがと。また明日」

そう言って駅の方向に向かって行った

" 先輩って彼女作ったことあんの？ "

『……そんな話、知りたくもないもん…』

遠くなる蓮くんの背中にボヤきながら

家の玄関を開けた