僕等のシェアハウス (ページ32)

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HN

Aヌナは部屋にこもっていたかと思ったら

今度は出て行って帰ってこない。

LK「不良だアイツは。
人の気も知らないで心配させて」

BC「ふぅん？心配なんだ？」

LK「ぁ、いやっ！
別にそういうわけじゃないけど！」

BC「まぁまぁ。心配ではあるよねー
最近あまり話せてないし」

何をしてるかよく知らないけど

ヨンボクが聞くには、お店の準備をしてるらしい。

ヌナは学校を卒業したら

服屋さんをしたかったんだってさ。

てっきりモデルの仕事をするのかと思ってた。

夢を追いかけるヌナはカッコいい。

見た目は女の子みたいだけど

行動力があって、誰よりも男らしいよ。

それなのに俺は夢もなく

ダラダラとピザ屋でアルバイト…

HN「はぁ。バイト辞めようかな」

BC「いきなり？」

HN「なんか、このままで俺いいのかなって」

LK「ピザ屋の何が悪いんだ？」

「え、ピザ屋やめるの？」

HN「Aヌナ！いつ帰ってきたの！？」

「さっき。ただいまって声かけたのに。
それで？ピザ屋辞めて何すんの」

HN「いや…別にしたいことなんて…」

目的がないまま韓国にいたって

仕方がないのかもしれない。

だけどマレーシアに帰ったって

やりたい事がないなら結局は同じだし…

「んー。
じゃあさ、俺の店で働いてみる？」

HN「え、ヌナの店？」

LK「いいじゃんジソン！
雇ってもらえば！」

「給料出せるか分かんないけどㅋㅋㅋ」

BC「お店の準備は進んでるの？」

「うん。店っていうか…
今は倉庫みたいになっちゃってて」

借りた部屋に服の在庫を置いて

そこで作業してるんだーって言いながら

Aヌナの目はキラキラ輝いて見える。

ああ、ヌナはきっと今

すごく楽しいんだろうな。

「で、どう？別にピザ屋を辞めなくたって
ちょっと手伝ってくれるだけでも有り難いんだけど」

HN「うん。いいよ」

「まじ？
やったー！助かる！！」

キラキラしたヌナの隣にいていいのかな。

ちょっと罪悪感？みたいなものが

ほんのりあるけど。

今の俺にはヌナの夢を手伝う事が

俺が韓国にいる目的になるのかもしれない。