第２９話 ページ34
土曜日。
Aは会議室にいた。Aの隣には種田山頭火、その横には太宰治、坂口安吾、中原中也と続く。この五人で喧嘩でもしたら小さな県の一つや二つ潰せそうなメンバーだ。
「今日は敵連合への潜入についての話や。坂口、よろしく。」
丸眼鏡の一見大学の教授にでも見えるかのような風貌の青年、坂口安吾が前に立った。
「ええ、各々聞いているとは思いますが、皆さんには敵連合への潜入、そして敵連合を内部から破壊していただきます。決行は明日の夜、明日13時半にまたここにお集まりください。」
はーいと間抜けな声を出しながら手を上げる治、普段は巫山戯ているようにしか見えないが意外と策士な奴だ。
「何ですか、太宰くん。」
「ねえ安吾、敵連合の思想に乗っかったフリをして仲間になるのだよね？」
「ええ、そうです。3人はマフィアからの応援という体で入ってください。なるべく敵と仲良くして、信頼関係を築いてください。」
この潜入コミュニケーション能力も必要なのか。何となくこの三人がメンバーに選ばれた理由が分かったような気がした。
治は嘘をつくのが上手い。それは多分この仕事に相当大切なことだと思う。
またマフィア内の異能力者の中で一番常識的なのは中也だ。広津さんもいい人だけどあの人は骨の髄までマフィア。姐さんは首領だからという部分がある。龍之介と梶井は…論外
「話終わった？じゃあ帰っていい？私これから用事があるの。」
そうなんだ、私には用事がある。私は今日の14時に駅前に集合し百ちゃんの家に行かなくてはならないのだ。現在の時刻は12時半、安吾に駅まで送ってもらえれば間に合う可能性が十分に
ある。
「へえ、何で早く帰りたいの？お友達と遊びたいから？」
治が意地の悪そうな笑顔で聞いてくる。
「そうよ、今日は勉強会なの。知ってるでしょ？私は遅刻が嫌いなの。」
「へえ、意外と青春してんだなァA、安心したぜ。御前の話だとどうせ教室で1人だろうと思ってたけどよォ。」
「五月蝿い、中也。で、安吾送ってくれない？」
「はあ…部下に送らせます。定期テストが近いようなので赤点にならないようにがんばって下さいね。」
安吾が呆れたような顔で言った。
「私が教えようか？私、分かりやすいと評判なのだけど、」
そんな治に勉強を教えてもらうだなんて…まっぴら御免だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおりん(プロフ) - ３１話のポートマフィアがパートマフィアになっていました (2022年3月2日 16時) (
レス) @page37 id: 98cc4361d2 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します…！当作品とても楽しく読ませてもらってます！第32話の「ポートマフィア」が「パートマフィア」になっています。この作品は大好きなので、誤字が気になってしまい、コメントさせていただきました。これからも応援しています！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: 4b59e65728 (このIDを非表示/違反報告)
竜騎士みぃ(プロフ) - ページ21誤植、(名前名前)になってるとこある。がんばれ (2020年1月29日 8時) (レス) id: e8f36b9305 (このIDを非表示/違反報告)
あるる(プロフ) - ルフイさん» ありがとうございます！待っております( *｀ω´) (2019年9月11日 17時) (レス) id: d6b4db13ca (このIDを非表示/違反報告)
ルフイ(プロフ) - 線画までは描けました！あと２，３日ほどで完成すると思うので楽しみにしていてください！ (2019年9月10日 16時) (レス) id: 1c8a5341b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あるる | 作成日時：2019年8月25日 22時
