無愛想な君② (ページ23)

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JK side

SG「Aいた？」

V「いなかったです…どこいったんだろ…」

Aヌナとカイ先輩が消えてから20分ほど経つ。

きっと、Aヌナとカイ先輩は親密な関係なんだろう。あ、「だった」の間違いか。

Aヌナの手を掴んで消えてしまった時のカイ先輩の表情を思い出すと、胸騒ぎがする…

「ただいま」

JN「A！！！どこ行ってたんだよ！！探したんだぞ？」

カイ「僕がAヌナ捕まえてたんです。すみません、こんな遅くなってしまって。じゃあ、行くねヌナ。また連絡する」

楽屋のドアが開いて、探していたAヌナが帰ってきたと思ったら、その後ろからぬっと現れたカイさん。

Aヌナの頭に軽く手を乗せると、帰ってしまった。

カイ先輩の登場にみんな何も言えない。

「本当にごめん。あ、メイク直さなきゃ」

急いで鏡の前に行くと、綿棒でアイラインを整えるAヌナ。うっすら目が赤くなっている気がする。泣いたの？

マネ「そろそろスタンバイするぞー！！」

ヌナにEXO先輩とのことを聞いても良いか悩んでいるとあっという間にスタンバイ。

RM「ヌナ、韓国での初ステージ楽しみですね。よろしくお願いします」

「任せておいて」

話しかける暇もなくステージに上がりソロダンスを披露するAヌナ。

観客はシーンと静まり返っている。盛り上がっていないわけではなくて、ヌナの作り出す雰囲気に呑み込まれてるんだ。

曲も終盤。リハの時は緊張していたのに、今は凄く冷静だ。

ヌナの作り出す世界に入って身体を動かして行く。

なんだよ、EXO先輩とあんな親しかったなんて知らなかったし。

カイ先輩とのことだって…

俺たちは何もAヌナのこと知らなかった。

なんだかムシャクシャして、クライマックスの「例の振り」で思いっきりヌナの腕を引き寄せた。

びっくりした表情のAヌナ。

でも、すぐヌナのスイッチが入って振り付け通り、おでこをくっつける。

あれ、いつもと違う匂いがする。
男物の香水…？

頭に浮かぶのはカイ先輩の顔で、一気に悔しさが込み上げてきた。
香りが移るほど距離が近かったの？

Aヌナが本当に俺たちの前から消えたらどうしよう…

まだ知り合って間もないけど、考えただけでも吐きそうだ。

お願いだから、俺たちのそばに居てほしい。そう願ってAヌナの髪を撫でた。