＊69 ページ9
.
梨 「Aちゃん、もう全部切り終わってるよね。」
あ 「全部終わってますっ。」
梨 「こっち手伝って〜！」
.
夕食はカレーとバーベキュー。ご飯が炊きあがれば夕食の宴を始められるという手前、私は準備を手伝いながらアウターのポケットに入ったくまのストラップを見つめていた。
.
30分前、私はこの《くまのストラップ》を人気のない森の奥の茂みで見つけた。
私が見る限りこれはきっとあのお店のストラップで間違いない。
.
放置することもできなくて、
そのまま持ってきちゃったけど、
.
あ 「…」
.
どうしてあんなところにこのストラップが、？
これは一体誰のストラップなのだろうか。まさかだとは思うけど、これが副編集長のストラップだったり、
いや、それは流石に考えすぎなのかな。
.
向 「あ、羽野さんお疲れ様です！」
.
え、羽野さん、？
.
梨 「お疲れ様です。いらっしゃるなら先に言ってくださいよ〜。これからみんなでバーベキューとかするところなんです！よければ羽野さんも一緒にどうですか？」
.
康二くんに社員旅行のスケジュールを聞いていたらしいし挨拶にでも来たのかな、って勝手に思ってた。
.
羽 「せっかくのお誘いなんですがこれから帰らなきゃで、」
梨 「あらー、残念。」
.
羽 「皆さん、渡辺副編集長をどこかでお見かけしたりしてないですか？」
.
副編集長、
.
向 「副編集長？どうかしたんですか？」
羽 「本来であればこの時間には本社に居るはずだったんですがまだ戻ってないようで。連絡も一切つかなくて…、」
.
梨 「えー！でも副編集長そもそも社員旅行来てないですもん。」
向 「…そうやな。誰も見かけてない、らしいです、」
羽 「そうですか。ここに居るかと思ったんですが。」
梨 「副編集長のことだから忙しくしてるんじゃないですか。」
羽 「そうですね！電話に出ないなんてこと今まで一度もなかったのに。」
.
そしたら、このくまのストラップってやっぱり、？
.
あの場所に落ちてたってことは、
.
この場所へ来て、それで…、
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3525人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くろーばー。
| 作成日時：2024年1月21日 16時
