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結局昨日は夕食を食べた後、部署の皆でお疲れ様の飲み会をして、そこからの記憶は正直うろ覚えだ。
微かな記憶を辿ると確か相当の盛り上がりだったような、梨花さんのカラオケ大会が始まったり、康二くんがモノマネを披露だったり。
あんましちゃんとは覚えてないけど、
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今日は2日目。旅のしおりを見れば本日は箱根の有名な観光地を巡り、その後は自由時間って書いてある。
そういえば、夜の一大イベントってなんだろ、
その日のお楽しみって感じだったけど、
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向 「はよ〜…」
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あ 「あ、康二くん。おはよう。」
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ロビーでくつろいでいると、上から聞き覚えのある声が降りかかって。
それはまさに昨日場を盛り上げていた康二くんで。
大きく欠伸をしながらも、ぴょんっと跳ねている髪に思わずくすっと笑ってしまう。
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康二くん、すっごい眠そう、
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向 「ふぁ〜…、メガネちゃん起きるの早ない?」
あ 「そういう康二くんもね。なんか目覚めちゃって。
あとね、寝癖凄いことになってるよ。」
向 「あかん!確認しないで部屋出てもうたから。
や、とりあえず目覚そう思て散歩でもしようかなーって。」
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あ 「ふふ。」
向 「そんな笑うなんて酷いやーん…」
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少ししょんぼりした表情の彼も私の手を簡単に握るとすぐ少年のような笑顔を見せた。
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向 「ちょっとその辺散歩しよー。メガネちゃん俺に付き合って?」
あ 「まぁ、良いよー。」
向 「何やねん。その微妙そうな返事は。」
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作者名:くろーばー。 | 作成日時:2024年1月21日 16時