恋と君を知った季節

6 ページ6

「もう…なんでそーやって勝手な事するかなぁ…」


「ごめんって。」





ぐちぐち言ってくる藤ヶ谷に半ば無理やりベッドに戻される。







「北山もうベッドから出ちゃだめ。大人しくしてて。」


「けちー…」


「早く治したいなら我慢して。北山の為にいってるんだから。」


「はぁーい。」







藤ヶ谷は俺に過保護だ。


昔から俺が体調を崩すと、すぐに過保護に心配してくる。


それはもう、横尾さん以上に(笑)


この時ばかりは、藤ヶ谷は俺に口煩くて常に俺の側にいる。








藤ヶ谷は…

慌てず冷静に看病してくれるのがかっこいい。

きっと女子はこういう藤ヶ谷みたいに大人な人に恋するんだろうなぁって。







藤ヶ谷の顔をぼーっと見ながら思った。









「…ん？どした？」



俺の視線に気づいたのか、こちらを見て不思議そうにする。






あ、そういえば…







「藤ヶ谷…どこで寝るの？」








ずっと聞きたかった事を尋ねる。


今藤ヶ谷のベッドは俺が占領してる状態だ。









「んー…、ソファとかで適当に寝るからいーよ。」






俺は泊めてもらってる立場だし、

そんなの申し訳なさすぎる。





いくら夏だといってもソファで寝て、藤ヶ谷が風邪を引いても困る。









ベッドはダブルベッドで

人一人分くらいならギリ空いてる。





…だから…









「…一緒に寝よ？」


「え？」


「…っ、だから…俺と寝よ？//」





若干照れながら、藤ヶ谷の裾を掴んで言った。





俺、なに顔赤くなってんだ…

女子じゃないんだし…//







でもそんな俺を見て藤ヶ谷は嬉しそうに言った。





「じゃあ、そうする。」って。

7→←5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す