標的449 ページ9
「ずいぶん豪華なところへ来ましたね」
翌日の夜。風率いる恭弥さんチームはヴァリアーが寝泊まりしていると言うとあるホテルを訪れていた。
「ヴァリアーはここにいると言っていたからね」
「恭。その情報は確かなのかい？その割には彼らの姿はないけど」
「どこかにいるんじゃない。まあ彼らがいそうな場所は大方想像つくけど」
「それにしても何故です？一番な強敵である彼らに立ち向かおうとするのは」
「「それが僕達の流儀だから」」
ああ。二人共。声を揃えて言うセリフじゃない。いやその前に何故私はここにいるのだろう……彼らにはもう会いたくはないのだが……怖い思いしたし。
チン。エレベーターが一フロアに到着したようだ。乗り込むと同時に視界に広がるはゴージャスな造りをした内装だ。さすが高級ホテルといったところか。
ただのエレベーターなのに天井の絵柄や金属加工の細工にまで拘っている。ほへーと見惚れているとティリリと時計が鳴り響いた。
「！！」
『バトル開始1分前』
「始まりますね」
「代理戦争で優勝したらって例の約束覚えてるかい？」
「もちろんです」
37階に着き、扉が開く。そしてまず視界に入ったのはヴァリアーの面々だった。ああ、ここにいたのか。
「ゔお"ぉい。これから出向こうって時に…」
「ししっカモがネギ背負って来やがった」
「ヒバリが風背負って、だろ」
「まんまじゃない」
……まあ確かにまんまだ。チラッと恭弥さんを見れば嬉しそうに口角を吊り上げていた。
「ムムッ、風」
「やあマーモン」
「流石恭。その情報は確かなようだね」
「だから言ったでしょ。にしてもここ……まるでサバンナだね」
「そうだね。サバンナだ」
「あれ？ボスザルがいないね」
ボスザル……XANXUSのことだろうか。確かに姿は見えない。奥にいそうだけどな。
「ゔお"ぉいヒバリィ」
「笑わせるじゃん」
「オレ達じゃ相手にならないっていうのかぁ？」
「君達だって役には立つさ」
チャっとトンファーを取り出す恭弥さんとお姉ちゃんに私も慌てて武器を取り出し構える。
「「僕達の牙の手入れ程度にはね」」
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