俺の目に映るふたり ページ40
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「翔太、A、今日メシ行かね?」
一応皆打ち合わせはしっかりやって、空気も少しは戻ったけど、なんかこのままじゃ良くない気がして。
打ち合わせ終わり、ちゃんと話しておこうと思って2人を誘ってみれば、2人は顔を見合わせて控えめに頷いた。
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事務所から数分の居酒屋。
自然と隣の席座って、「お前いつものでいい?」なんてサラッとAの梅酒頼む翔太に、お前らほんとそういうとこなんだよって思っちゃうの、良くないかな。
前までは普通に仲が良いって印象だったけど、あんな記事見た後だと些細な事も全部気になっちゃって。
でも本人達の言葉、大事にしなきゃいけないよね。
「ねぇ、正直なところ、2人ってどうなってんの?」
『どうって…』
「……別に、マジでなんもねぇよ」
注文を終えるなりストレートに切り出した俺に、2人は戸惑いを浮かべて。
困ったように紡がれた言葉は、やっぱり会議室で聞いたのと同じようなものだった。
言い方からして多分、それは嘘じゃないんだろうけど……
でもさ、じゃあなんであんな写真撮られるような事が起こるわけ?って。俺はそれが知りたいんだよ翔太。
「……あのさ、俺はこのままこういう問題でグループが良くない方向に向かうのは嫌なのよ」
『うん…』
「だから、何かあるならちゃんと話してほしい」
珍しく真剣な声出しちゃったからか、Aも翔太もばつが悪そうに下向いて。
……それから数秒、「もう昔の話」って呟いたのは翔太の方だった。
『……っ、翔太、』
「……付き合ってたの、俺ら」
「昔っていつ、?」
「俺らがまだ結成される前。結成した頃別れた」
『……』
「……ああ、そういう事…?」
……なんだろ、率直になるほどなって思っちゃった俺は、やっぱり心のどこかで2人の事そんな風に見てたのかな。
そりゃびっくりしたけどさ、それを踏まえれば俺らが結成された頃2人が仲悪そうに見えたのも納得だし、逆にめちゃくちゃお互いの事分かってるって感じだったのも納得。
「……だから別に、今はなんもねぇんだよ。付き合ってたから、一緒にいる事のハードルが低いだけ。泊まらせたのは悪かったけどマジで何もしてねぇから」
「……そっか」
そんな話を聞いた後に見る2人の姿はなんていうか”しっくり“以外の何物でもなくて。
由菜の気持ち考えたら辛いけど……
なんやかんや、この2人はやっぱりお似合いだったんだなって思っちゃったよね……。
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すかる(プロフ) - ひろかずみつすけさん» →思います。曖昧なお返事ですみません。コメントとても嬉しかったです! (2022年11月15日 20時) (レス) id: a4205199bd (このIDを非表示/違反報告)
すかる(プロフ) - ひろかずみつすけさん» 読んでくださり、またコメントまでありがとうございます。仕事が忙しくなり執筆を一度中断して以来同じように書ける自信がなくずっと更新しないままになっており大変申し訳ないです。続きは書かないと決めた訳では無いので、また更新されていたら読んでいただけたらと (2022年11月15日 20時) (レス) id: a4205199bd (このIDを非表示/違反報告)
ひろかずみつすけ(プロフ) - とっても面白かったです。続編はもう書かれないですか? (2022年11月15日 6時) (レス) id: d2c3399ce2 (このIDを非表示/違反報告)
すかる(プロフ) - reeeiiiさん» こんばんは、いつもご覧いただきありがとうございます> <!これからもギュッとしていただけるように頑張ります☆コメントありがとうございました!! (2021年3月5日 23時) (レス) id: adb2c5fada (このIDを非表示/違反報告)
reeeiii(プロフ) - こんばんは。いつも更新楽しみにさせていただいてます!胸がギュッとなってきました!次回更新も楽しみにしてます! (2021年3月5日 21時) (レス) id: f41e0f4c92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すかる | 作成日時:2021年1月22日 21時