Snow×Snow

週刊誌 ページ37

(ryota side)



「おはよ……って、え、どうしたの……？」



今日は昼からSnow×Snow全員で事務所で打ち合わせの予定……だったんだけど。

会議室に着くと、もう俺以外のメンバーが揃っていて、そこは何故か異様な空気に包まれていた。



「舘さん…おはよ…、」



俺を見た後困ったようにその視線をテーブルに移したふっかにつられてそこを見れば、なにかの記事のコピーみたいなものが置いてあって。

テーブルに近付いて俺がそれに目を向けるのと同時……
『撮られちゃった、ごめん……』って、耳に届いたのはAのか細い声。


撮られたってAが？一体誰と？って、その記事を目にした瞬間、部屋が異様な空気だった理由を一瞬で理解した。



「……お前が悪いんじゃねぇよ、」

『でも……』



Aを庇うように「俺が不注意だった、」って呟いたのは、彼女と一緒に記事にされている翔太で。

……何それ、じゃあこの記事にあるのは事実って事？



”独占スクープ！Snow×Snowメインボーカル2人のお泊まり愛“

なんてデカデカと書かれた見出しに、翔太とAに見えなくもない2人がマンションに入っていく様子が分かる写真が1枚付いているその記事をザッと読んで「……事実なの？」って問い掛ければ、『それは……』って言葉を詰まらせるA。

何？俺が気付かない間に、2人ってヨリ戻してたの……？



「……泊まったのは本当だけど、事情があったんだってさ」



黙り込んたAに代わってそう言ったふっかは、「それに、今回は写真は本人じゃないって上が揉み消してくれたらしい」って続けて。



『でも……ごめんなさい、迷惑かけて』

「……まあ仕方ないよ、撮られる時は撮られるんだから。
………でもさ、俺は、付き合ってないのにこういう写真が出回るのはどうかと思うの。
お前らが変な関係じゃないっていうのは分かってるし事情があったってのも信じるけど、……フラフラすんのは良くないかんね？」



いつになく真剣なふっかに、もう一度『ごめん、』って呟いたAは今にも泣きそうな顔してて。

その隣で「……悪かった」って謝る翔太の表情も曇っていて、部屋の空気は相変わらず重たいままだった。



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