Snow×Snow

募っていく後悔 ページ36

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「……ねぇ、A」

『ん、？』

「……ずっと聞きたかった事聞いてもいい？」

『…うん、』

「……Aはどうして、翔太と別れたの？」

『え…………』



唐突な俺の言葉に、Aは一瞬目を見開いたけど、すぐに笑って『はは、何の話…？』なんて誤魔化そうとして。
でも、俺は全部知ってるよってその目を真っ直ぐに見れば、彼女は『そっか、』ってまた俯いた。



「上手くいってるように見えてたけど……」

『……簡単な話だよ。別に何か大きな理由があったわけじゃなくて』

「……どういうこと？」

『……マンネリ化しちゃったの。一緒にいる事に慣れちゃって、一緒にいても話す事少なくなって。
そんな時にSnow×Snowの結成が決まって、仕事でも会う時間が増えちゃったから……お互いちょっと、一緒にいる事に疲れちゃったんだと思う』

「……そっ、か」

『喧嘩も増えちゃってさ……。翔太の気持ち、上手く汲んであげられなかったんだよね』



自分で聞いておいて、『私がちょっと子供すぎたのかな……』なんてちょっと寂しそうに笑ったAに、俺はなんて返すのが正解だったんだろう。


あの頃は、別れてすぐのその傷んだ心の中に踏み込んでいく事がどうしても出来なくて。

でも今は、そうやってうかうかしてるうちにいつの間にか佐久間で埋まってしまったその心の中に俺を入れる隙なんてないように思えて。



『……てか阿部ちゃん知ってたんだね』

「うん、」

『誰も知らないと思ってたな』

「……まあ俺くらいかな、とは思うけど」

『……そっか』



ちゃんと隠せてたよ、2人。でも俺はAの事ずっと見てたから、って。その言葉を飲み込んだ俺は、やっぱり今もAに想いを伝える勇気なんて持ち合わせてない。



「A……色々さ、もっと頼ってね？俺の事。
俺はいつだってAの味方だから……」



結局、翔太にも佐久間にも勝てる気がしなくて精一杯そんな事しか言えない俺は、
あの頃からずっと、後悔ばかりしてる気がする。



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