キイロとクロ7 (ページ31)

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『あっ…』

階段の手すりに寄っ掛かる海人は俺らに気がつくと、少しだけ眉を潜めた

【おう】

「…」

【…明日の時間、連絡するわ】

俺がそう言うと、Aは

「うん。ありがとう、じゃあっ…」

と言って繋いでいた手を解き、足早に階段を駆け抜けた

それと同時に、海人が’’あっA…！’’と彼女の名前を呼んで引き止めようとするから

その腕を引っ張った

【海人、今日はこれ以上何もせんといて】

『…でも』

【そっとしといて】

俺の強い口調に海人はわかった、と小さく呟いた

『…廉、ごめん』

【何が？】

『やっぱり、Aも廉も困らせてる』

【…】

『…ごめん』

【ふざけんな、今更謝んな】

俺はそう言ってから、階段で佇む海人を他所に来た道を戻った

すぐ謝るくらいなら、最初からあんなことすんな

正々堂々、だなんて、よく言えたもんだと、今更ながら後悔してる自分がいた