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とある日のこと
今日は少し体調が良くなかったという事もあり、朝からずっと部屋から出れずにいた
気圧の変化とかによる、頭痛とかそんなものだと思う
私が部屋から出てこないということもあり、心配したベックマンさんが様子を見に来たり、体調を伺いにとホンゴウさんが来たりしてくれた
「今日は1日ゆっくりしてろ」
「うん。ありがとう、ホンゴウさん」
ホンゴウさんは優しく笑うと私の頭を撫でてくれて、部屋を出ていった
飲み物や軽い軽食をその後ルゥさんが持ってきてくれたり、暇つぶしにとヤソップさんが絵本を持ってきたりしてくれた
みんな、優しいなぁ…
ヤソップさんが持ってきくれた絵本を抱きしめながら「ありがとう」と小さく呟いた
だけど。でも
まだ“あの人”は来てくれない
…期待してない訳ではなかった
こういう時なら、少しはウタより私のことも見てくれるかなって思ったんだ
でも違ったみたい
いくら待てど、シャンクスは私の部屋には来なかった
「……………………」
心配して、一言言いに来てくれてもいいじゃない
チクチクとまた胸は痛んだ
また出てきちゃう。ダメだよ
この胸がチクチクする時は、黒い靄が出てきてしまう時
ぎゅっと胸の前で手を組んで『出てこないで』と願った
悪い子になりたくない。良い子でいたいから
だからお願い
私を悪い子にしないで
そうお願いをしていた時だった
偶然とは思いたくなかった
突然部屋の扉が開いた
誰?もしかしてベックマンさん?
ベッドから顔を出して見れば、会いたかったその人がいた
「シャンクス……」
「大丈夫か?ララ」
「………うん……」
じわじわと混み上がる涙
目が熱くなり。思わずそれを零した
「痛むのか!?無理してたんだな…すまなかったな、ララ」
シャンクスは困ったようにあたふたと慌てふためきながら私の頭を、壊れ物を扱うかのように撫でてくれた
「ううん…だいじょうぶ…だいじょうぶだよ……」
泣きながら笑った
とても矛盾している
だって嬉しいの。本当に嬉しいの
「ウタが中々離れてくれなくてな…来るのに時間がかかっちまった」
「……そうだったんだ…」
だけどなんでなのかな
“ウタ”の名前を聞くと、日が差す空に雨雲が顔を出すように
私の心が静かになる
さっきまで嬉しかったはずなのに
なんでなのかな
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