#49 ページ49
『なんでだよおおおお！！！！！』
涙ながらに叫ぶウタの声は虚しく響いていた
目が覚めると国は崩壊していた
赤い炎が国中を包み、黒煙が惨たらしいその惨状を隠すかのようにそこら中に沸いていた
赤髪海賊団は船を出してこのエレジアを離れた
私とウタを、置いて
ゴードンさんは悔しそうに『全て奪われた』『赤髪海賊団によって』と言っていた
けれど。違う
真相は違う
私は知っている。なぜこうなったのか
国をこんなにめちゃめちゃにしたのは
シャンクス達ではない
国を崩壊させたのは、他でもない＿＿＿＿＿
ウタと………
「……………………」
見えなくなった左目は何も映すことは無く
この惨状から目を背けたくなる私の心を、表しているようだった
嘘つき
そんなにあの子を守りたいの
歌姫を守りたいの
その為になら罪だって被るって言うの？
そうなの。そうなのね
そういうことなのね
「……ふふ……………」
そういう事なら。もう
もう。いいや
ありがとう。シャンクス
さようなら
さようなら
“ サ イ ハ モ ウ ナ ゲ ラ レ タ ”
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