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あの後。ウタはルフィくんにちゃんと謝っていた
『ごめんね。ルフィ……ララ』
証明する為にもシャンクスは私の目の前でウタに謝らせていた
ルフィくんは『もういーよ！気にしてねえし！』と元気よくいつもの笑顔をウタに向けてくれていた
その後『おれもごめん！』と謝っていた
自分からも謝れて偉いなと思った
「…私も叩いてごめんね。ウタ」
「！……っう゛ぅん゛…ララッ…ごめん゛なざい゛！！」
膨れた水風船に小さな穴が空いて水が流れ出すかのように
ウタはわあっと泣き出した。私にしがみついて
ため息をつきそうになるのを堪えながら、私はまたいつも通りの“おねえちゃん”に戻った
私がいつも通りのおねえちゃんに戻ったことで、ウタは安堵したのか「おねえちゃん」と抱きついてきた
…………………はぁ…
その日の晩
ウタとルフィくんはいつも通り2人で競い合って遊んでいた
やがてヒートアップし、
どちらが立派な海賊になれるかという対決になった
その様子を赤髪海賊団は見守っていた
私も店の中からその様子を見つめた
結果はウタのずる賢い手にルフィくんが引っかかり、ウタの勝利という結末に至った
何だかんだで負けず嫌いな2人は両腕を振り回してポカポカと始める
またやってる……
そこへシャンクスが現れ、刀でコツンと2人の頭を小突いた
それに対して講義をする2人
「愛のムチだ」というシャンクスに対し、ウタは目を輝かせてシャンクスの足に抱きつく。それを見たルフィくんも負けじと抱きついた
2人は本当にシャンクスの事が大好きなんだ
ほんの少し前の私なら。あの場で2人が抱きつく姿を見て『いいな』と羨んだんだろうけど
暫くしていつものウタのステージが始まった
『ウチの歌姫のステージだ』
そう言うと皆ウタの歌に耳を傾けた
私はその場には居たくないのでそっとその場を離れた
聞きたくない歌を一々聞く理由もない
そのまま船へと戻り、自室に籠った
「……………………」
ふと久々に歌った事を思い出す
あの日歌った時…懐かしさを感じた
歌を歌うこと自体が嫌になったと思った
でも本心は違った
やっぱり。私はまだ“歌”が好きで捨てきれないんだ
本当はもっと歌いたいんだと。あの日思い知ってしまった
確か次に向かう島は音楽の国で有名な“エレジア”
……自分にとって何か。変われるものがあるといいな…
ベッドに横になり。私はそのまま瞼を閉じて眠りについた
夢の中だけは。誰にも邪魔されない
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