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#5 ページ5

自室に戻り、ベッドの上に座った
部屋全体を見渡せば、シャンクスがくれたものが沢山ある

こうして見れば、私もこんなにシャンクスに色々と貰っていたんだなと実感した

でも。いつからかな

いつからか、“欲しいとは思ってない”ものが自分の物になっていった


___ウタ、赤い方がいい

___いいよ

___ウタ、フリフリの方がいい

___いいよ

___ウタ、そっちのイチゴケーキがいい

___いいよ


『いいよ、いいよ、いいよ、いいよ、いいよ』


「………いいよ…」

何度口にしたか覚えていない“いいよ”

いいよと口にするのが当たり前になっているような気がした

何が“良いよ”なんだろう


全然良くないのに


『我慢せずにちゃんと言うんだぞ?』

シャンクスも前に言ってくれた
けれど今はそんな事、言ってくれなくなった

『悪いがララ…半分こでもいいか?』

『悪いララ!交換してやってくれ!』


何もかもがウタ中心の日々になっていった
ウタが『あれほしい』『これほしい』と言えば与えられた
何でも
まるで本当のお姫様のように


“何でなの?その場所は私だったのに”




____馬鹿。私
なんて最低なことを考えてるんだ。そんな事思っちゃダメだ
心に浮かんだ黒い靄を晴らす為に、髪に付けている花の髪留めを触った

ダメだ。そんな事思っちゃダメ
私だってみんなにした事だよ
私だってあの頃の時、わがままを言ってみんなを困らせた。そうだ
困らせてた…



深呼吸をして目を閉じる

こんな醜い感情、どこかにいっちゃえ

汚いの汚いの、どこかにとんでいけ


胸に手を当てながら、いつもの様に願った



私は良い子でいたい。優しいおねえちゃんでいたいの

だから。だから


悪い感情、出てこないで

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作者名:さなら | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2022年9月23日 0時

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