弱虫姫奮闘記―癒しの姫君【弱虫ペダル】【第７期】

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それからは総北高校が２位の柏東高校に２分の差をつけてゴールした。

ゴールした瞬間に私は倒れそうになって、まだまだ元気そうな田所先輩に抱き上げてもらう。


巻島先輩は私のロードレーサーを運んでくれていて、金城先輩は私のヘルメットと脱がしてくれたシューズを持ってくれている。

うぅ･･･先輩たちに私を含めた荷物運びをさせる１年生ってどう考えたって何様だよって感じだ。

でも先輩たちはそんなこと気にしていなくて、それどころが手放しで褒めてくれている。



「あれで全開放じゃねぇって、姫はすげぇな！」

「本当に、翼が何かは分からねぇが、今後が楽しみっショ」

「ああ。よく俺の出したオーダーを完遂したな。本当によくやってくれた」

「あ、ありがとう、ございます」



完全に先輩たちは今回のレースでは余力を残してゴールしていると思う。

本当にすごいなぁ･･･私なんて、いつもレースの後は歩けないくらい疲労してボロボロなのに･･･。


少しは体力が付いてきたと思っていたけれど、私はもっともっと長距離を走れる体力が欲しいと切実に思う。

何とか着替えだけは出来たけど、やっぱりまだ生まれたての小鹿状態で歩く事は難しくて、今度は金城先輩に子供だっこしてもらって会場を出ようとした。


出ようとしたんだけど･･･。



「いたっっ！あの子だよ！！」

「うわぁっ。近くで見ても小さいな！」

「レース見てたぞ！インターハイも頑張れよ！！」

「俺、４月末のレースも見てたんだ！ボロボロだったけどよく総北のメンバーに着いていけたな！」



金城先輩ごと私はたくさんの選手の人たちに囲まれてしまった。

これは一体どういうことなんだろう･･･？

あまりの勢いに脅えてしまった私は、金城先輩の胸元の服をきゅっと握ってすがり付いてしまう。



「すみません。通してください。彼女はレースを終えたばかりで疲れていますので」

「あ。そうだよな･･･」

「応援してるよ！！頑張ってね！」



そう声をかけながらも道を開けてくれた人たちに何とか頭だけ下げることができた。

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