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カイは静かに慎重に言葉を選びながらも口を開きます。




「るうが危険に巻き込まれた可能性は限りなく低いですが、この敷地から外へ出たのは確実ですね。リク。どうしますか?騎士団で捜索依頼を出すにはルナーの存在を明らかにしなければなりませんが・・・」

「・・・ああ。るうを早急に保護しなければならないからな。仕方ないだろう。カイと2人で騎士団に行って来る。ナミはるうが戻ってくるかもしれないから連絡を待っていてくれ」

「ええ。分かったわ。るう様のこと、必ず見つけて・・・」




リクとカイはゆっくりと頷くと、部屋から出て行きました。





るうを抱き上げて運んだ男は、騎士団の前まで来ていました。

門の両サイドに立つ騎士服の男たちは、顔を見合わせて念のためというような態度で幼子を抱えている男に話しかけました。




「えっと・・・。隊長・・・。あの、その幼子は・・・?」

「ああ。神殿の屋敷の見回りに行ってきたんだが、途中で夜着のまま木の根元で眠っていたんだ。親の庇護下にあるはずの幼子のはずだが、周りに親の姿がなくてな。保護した方がいいと判断して連れて来た」




隊長と呼ばれた男は、自分の腕の中ですやすやと気持ちよさそうに眠る幼子に視線を落とすと、門番に『ではな』と言って足を踏み出しました。

その足で医務室に向かった男は、静かに扉を開けると中にいた背中を向けて机に向かう男に声をかけます。




「すまないが、手当てを頼めるか?」

「?おやおや?ジルくんですか?あなたが怪我をするのは珍しいですねぇ」




穏やかな口調で白衣の男は、隊長のジルに気づいて振り向きました。

ジルは赤茶色の短髪の髪に、夜空のような落ち着いた紺色の瞳、そしてグレーの耳が生えている男でした。


白衣の男は振り向いた後、ジルの腕にだかれて眠っていた小さな幼子に視線を向けて、ルビー色の瞳を見開いてピシリと固まります。




「るうっっ!?」

「・・・知っている幼子なのか?」




そうです。

白衣の男は、兎族で医者のアルでした。

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設定タグ:溺愛 , 愛され , 幼女   
作品ジャンル:ファンタジー
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ダリア - やはり貴方様の書く作品は迚素晴らしい物ですね!るうちゃん物凄く好きです!可愛い!登場人物は全員好きになってしまいました!! (2022年9月15日 3時) (レス) @page50 id: d57692a101 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - やほ子さん» 読んでくださっていたのですね。ありがとうございます!今は繁忙期で少し忙しくて更新が遅いですが今後もよろしくお願いします^^ (2021年3月17日 0時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
やほ子(プロフ) - 瑠璃色の夢さん» なるほど!!私少し前に読んでました!リメイク版が見れるなんてうれしいです! (2021年3月16日 21時) (レス) id: d9cd79b552 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - やほ子さん» コメントありがとうございます。こちらは以前別サイトで投稿していた小説のリメイク版になります^^現在は瑠璃色の夢という名でしていますが以前は瑠璃夢という名で投稿しておりました。 (2021年3月16日 15時) (レス) id: ef139e1273 (このIDを非表示/違反報告)
やほ子(プロフ) - この小説他のサイトにも投稿してらっしゃったりしますか? (2021年3月16日 14時) (レス) id: d9cd79b552 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2020年1月29日 16時

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