追求51個目 ページ2
「もしかして、俺にまだ何か用?」
外道丸のブラッシングを一度止めて、彼女の方を向く。
彼女が来てから数分経ったが、無言の空間が続いた為聞いてみたものだった。
女性にしては大きめ身長で160位なのだろうが、それでも俺と比べると(※僅かに)小さい。
今まで男しかいない、むさい集団だったからこうして女性と話すのも久々で。
目が慣れて無い事もあるのか、やはり女性は小柄に見えるものだ。
「ぁ、いえ、そのですね、」
戸惑った表情で此方を不安そうに見る彼女。
俺何かしたかな。
「私早く起きちゃって、それで此処、朝から農業、やってるって聞いたので、」
そう言い終えたと同時に、彼女は勢いよく頭を下げた。
ビュォッて風を切る音したんだけど。
「農業、見学させて下さい」
「見学?」
彼女は小さく頷いた。
見学っても農業してる俺は楽しいけど彼女はどうなのか。
まぁ、彼女が良いならそれでもいいのだが。
「いいよ。其処ら辺自由に見て貰って。」
「本当ですか!」
「ぁ、でも絶対に荒らさないでね。」
「当然です。有難う御座います……!」
そう言った彼女は柔らかな笑顔だった。
ふにゃ、って感じの。うん、やっぱり女の子はいいね。
・
・
・
彼女は外道丸が居る小屋の近くで、立ちながら見ていた。
表情にはあまり、出ていないものの明らかに目が輝いていた。
俺は収穫が出来そうな小麦を刈り取って、近くの籠に詰めながらそれを確認した。
初対面の時の様な殺意丸出しの目ではなく、今はきっと普段通りの目。
敵と言う認識からの変化であろう。
・ ・ ・ ・
「ふぅ、こんなもんかな」
肌を伝う汗を拭い、達成感から腰に手を当てる。
目の前には籠の中に山盛り一杯入った小麦、と先程出来た卵。
彼女は今頃何してるのか、と気になって其方を見ると
何と、俺の外道丸と仲良く戯れているではないか。
「へぇ、珍しい事もあるもんだね」
俺の言葉に気が付いたのか、慌てて外道丸から離れる彼女。
やはり見学するだけでは飽きてしまったのだろうか。
「す、すみません」
「別にいいよ。見学やっぱりつまらなかったでしょ」
「いえ、見学は楽しかったのですが…」
というと、少し恥ずかしそうに頬を掻いて
また少し笑った。
「ひとらんらんさん、見られるの苦手そうにしてらしたので、」
どうやらあれは、彼女なりの気遣いだったらしい。
ていうか俺、そんなに嫌そうな顔してたのかな。
何か逆に恥ずかしいね。
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代口 - ゆきさん» 配色についてはあくまでも個人的な創造の一部だったので、其処まで意識しておりませんでした。指摘されて初めて感じる違和感…しかし今作につきましては、このままの配色で行きたいと思います。ご理解頂きます様宜しく御願い致します。 (2018年10月15日 22時) (レス) id: 56f6e86835 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ん〜。マンちゃが緑でゾムか黄緑じゃないっけ〜。 まぁ、気にしないけどねぇ〜。 (2018年9月4日 23時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - らんちゃ(らんちゃん)のなんか恥ずかしいね。がグッ……ガハッ(吐血&鼻血)だった。可愛い (2018年9月4日 22時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
代口 - ハクさん» うわあああ有難う御座います(; ;)そう言って貰えると本当に嬉しいです…!今後も更新頑張りますので、どうぞ宜しく御願い致します!!! (2018年6月13日 21時) (レス) id: 13ffe3f0cb (このIDを非表示/違反報告)
ハク - うああああああ!すごい作品ですね!話の流れもスラスラしていて最初から読ませて頂きました!終わるまで見続けます頑張ってください(´ω`) (2018年6月7日 20時) (レス) id: 19710dfa66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:代口 | 作成日時:2017年1月29日 23時