【短編集】悪魔というのは種族だけ。【ブラックチャンネル】

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「Aが嘘をついた事くらい分かりますよ」

「なっ…！」

ニヤニヤと笑うブラックに苛立ちを覚えた。
あんな演技を見せられて、嘘だと分かっていたなんて誰が考えられただろう。

「動画もばっちり撮れました〜！」

「じー！」

「なぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

最悪だ。
恥ずかしい。
こんな事になるなんて、思いもしなかった。

「カメラちゃん！この動画消して！」

「無理ですよ？生放送なので！」

生放送…。
ブラックは私のこの姿を、全世界に公開したのだ。
やり返しにしては酷すぎる。

「カカカッ！まあ良いじゃないですか〜！」

私の顔は真っ赤になっているだろう。

「良くないっ！全く良くないっ！！」

そう言うと、ブラックの顔がいつも通りの表情になった。

「…生放送なんて嘘ですけどね」

「え？」

もうどれが本当で、どれが嘘かも分からない。

「これも一種のドッキリですよ！」

「じー！」

「ど、ドッキリ！？」

私はブラックに二回も騙されたようだ。

「びっくりしたでしょ？」

びっくりどころのレベルではなかった。
びっくりしたというか、恥ずかしいというか、腹が立つというか…複雑な気持ちだ。

「心臓に悪いよ…この悪魔…」

「悪魔ですが、なにか？」

そう言うブラックを見ても、嫌いになることはない。
やっぱり私はブラックの事が大好きなんだ。

「まあ、嘘であっても嫌いと言われた時は傷ついちゃいました」

こればかりは私が悪かった。
頭を下げて謝る。

「ごめん…」

「そこでオレちゃん思ったんです！Aに、二度と嫌いと言わせないようにすればいいって！」

「…へ？」

そう言ってブラックは私を抱きかかえる。
流石にこの後に何をしようとしているかは、私でも分かる。

「ちょっと！ブラック！降ろして！」

「嫌です！」

・

私はその日から3日、ブラックの口を聞かなかった。
あんな事をされて少し嬉しかったのは、私だけの秘密だ。


▷▶︎▷

鮭の神様(元 レオ)さん、リクエストありがとうございました！！

2話構成+アレなネタを入れてしまいました…((ごめんなさい

また良ければリクエストお願いします！

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