【短編集】悪魔というのは種族だけ。【ブラックチャンネル】

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(さっきブラックが使ってたのは…)

速過ぎるあまり曖昧にしか覚えていない記憶を元に、残りの動画を編集する。見た事も無い機能が大半で難しく感じる一方、いつもこの作業をしているブラックの凄さを再認識した。

｢よしっ、これで完成っと……」

「ふぅ……やっと終わりましたね……」

二人して大きく息をつく。時計を見ると、既に午後4時。さっきはまだ太陽も登りかけだったのに。時間が流れるのはあっという間。それだけ集中していたということだろう。

「ありがとうございます、A」

「いいよいいよ！私も動画編集の事、沢山学べたからさ」

そう言って笑いかけると、彼も微笑み返してくれた。すると、彼が思い出したかのようにこう切り出した。

「ところでA、この後暇ですか？」

「え？うん、まぁ特に予定はないけど……どうかした？」

「いえ。実はオレちゃん、前からAと行きたい場所がありまして。一緒に行きませんか？」

「いいね！行こう行こう！」

思いがけない誘いで嬉しかった気持ちも束の間、彼の行き先に不安が過った。

「でも、何処に行くの？」

「カカカッ！それは着いてからのお楽しみです」

彼は楽しげに笑って、私に手を差し伸べた。その笑顔に裏がある事は分かっている。きっと新たなネタと私で動画を撮るつもりだ。数分後には契約書へのサインも要求するだろう。

(でも…)

たまには恋人気分だけじゃなくて、さとしくんの気分も味わってみようかな。これから起こる事に期待を膨らませながら、私は彼の手を取った。

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ユズマさん、リクエストありがとうございました！！

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