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48、大切な人 ページ49

「で、Aはどうなの?」


マイキーは私の目を見たまま視線を逸らさない。


『う…うちも…すっ…好きやで』

「歯切れ悪。」

『うっさいねん雪!』


返事を答えればマイキーはわたしの頭を撫でた。


「なら、今日から俺の嫁っ!なっ♡」


「「「きゃー!!」」」


その言葉にその場にいた百合會の隊員は叫んだ。


きゃっきゃしている姿はどこにでもいる女の子だ


「思ってたより早かったな」

瑠「たしかに」

百「泣かせようもんならぶっ殺してやる」

蘭「ちょっ!百樹!今はじっとして!」


蘭が百樹を羽交い締めにしながら動きを止めている姿を冷めた目で瑠夏と雪は眺めていた。


「よし!明日の東卍の集会に来いよ!皆んなに紹介すっから!」

『えっ早ない!?』

「大丈夫大丈夫!」


その後いつも通り集会をし、今日は皆んなと鍋を食べずマイキーとツーリングに向かった。


「とりあえず、1番最初に紹介したい奴がいんだ」

『ドラケン?』

「んー。俺の兄貴」


マイキーの家は逆の方向のはず


ってか兄貴居たんだ…


そんなことを思いながらマイキーのバイクの後ろをついて行った。


「着いた」


バイクを降りれば目の前にはお墓がたくさん並んでいる


「これ、俺の兄貴!」

『…。はじめましてお兄さん!』


マイキーが墓石を片手で軽く叩いた。


「兄貴!俺の嫁!兄貴と違って俺はモテるんだよなー」

『百合會の総長をしているAです。』


その後マイキーが持っていたお線香に火をつけて2人で手を合わせ拝んだ。


「俺の兄貴は黒龍の初代総長だったんだ。」


そうぽつりと話し出すマイキーに静かに耳を傾ける。


「兄貴は喧嘩も弱いし、女にも弱くてよく女の尻ばっかり追いかけてた。でも、そんな兄貴を慕ってたくさんの人が背中を追っかけていたんだ。」

『素敵な人なんやな』

「俺も追っかけてた。俺は兄貴のようにはなれない…」

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作者名: | 作成日時:2021年9月24日 20時

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