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32、人質 ページ33

「なんだ。喧嘩だけじゃなくて頭もいいのか。ダリィ♡」


そう言いながら相手は私にタバコの煙を吹きかけた。


『煙いねん。やめろ。』

「俺らのチームに入る気はない?」

『うち、人の下につくの無理。私より弱いやつとか余計無理。』

「百合會だっけ?」

『なんや。』


また煙を吹きかけられる。


「あのチーム君がいなかったから烏合の衆じゃない?」


その言葉にピキッと青筋が立った。



『んなわけねぇやろ。うちの仲間なめんなよ?このうちのことを抑えることができるんやぞっ…!オラっ!』


ドスッ!


「いっ…」


近くにあったヤツの頭に頭突きを入れれば鼻から血を出す相手。



「だりぃ。まぁ、今からみんなで楽しいことしような♡」

『はっ。きっしょ。』


胸ぐらを掴まれ顔を殴られる。


横に倒れた瞬間他の周りにいた奴らが私のことを持ち上げた。


『離せやゴラっ!!殺すぞ!』

「さっさと運べ。駐車場な。」


両手両足を縛られてしまえば暴れても暴れても逃げることができない。


(様子を伺うか。)


車に乗せられたうちはまた何処かへと運び出された。




『はぁ…。アイス溶けてもーてるんやろうなぁ…。』




しばらく車に揺られていると外は雨が降り出していた。



「龍牙峰A。」



急にフルネームを呼ばれそちらを見ると煙草を吸っているダサい刺繍のやつが口を開いた。



「お前、これから何されるか分かっててそんなに静かなのか?」

『まぁね。この状況で暴れたところで意味ねぇし。』


これから私の身に何が起こるのかぐらいは簡単に想像ができる。


パーちんの親友の彼女と同じようなことだろう。



『まぁ、お前らの考えが計画通りに行けばいいな。』



ニタリと笑ったAの顔はとてつもなく不気味であった。


「ダリィ♡」

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作者名: | 作成日時:2021年9月24日 20時

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