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30、重い愛 ページ31

「なー雪、なんであいつら先に帰らせたんだ?」


そう言葉を発したのは赤信号でバイクを止めたドラケンであった。


「あー…。私らってちょっと特殊でさ。Aがみんなの親と約束したんだ。日付を越える前までに絶対に帰らせるって。」



そうなった経緯や彼女の過去、そして執着をドラケンとマイキーに言った。



「Aの仲間への想い愛は…重い愛なんだ。そこを理解してやってほしい。」



そう言いながら雪は青になった信号を走り出した。



「大切なんだな。」

「うん。」


マイキーは雪にそういうと一緒にバイクの横を通り過ぎて先頭に出た。


「少し公園に寄ってから帰ろーぜ!勝負だ!」

「はぁぁぁ!?それはズリーぞ!マイキー!」

「本当にずるいわ!絶対負けない!」


3人は夜の街をバイクで走っていた。


——

-

「ついたー!雪っちの負けー」

「あんなのズルすぎるわ!」


そんなことを言いながらバイクから降りると公園の中へと入る。


「ねぇ。マイキー、ドラケン。」


雪のその真剣な声に前を歩いてた2人は振り向いた。


「あんたらも仲間の対象になってるの忘れないでね…。裏切ったらあの子に殺されるから。」



そう言って彼女は振り向いた彼らの目をまっすぐ捉えた。



「裏切らねぇ。あいつは俺の仲間だからな。」

「俺も。」


2人はそういうとニカッと笑った。



「ありがとう。」



この重い愛を受け止めてくれる人はとてつもなく少ない。



愛という重い足枷


それは時には想いといういい方向に。


そして時には重いという悪い方向に。


とてつもなく簡単にどちらへでも転がってしまう怖いもの。



「Aのことこれからもよろしく。」



3人は拳同士を合わせた。





「ってかまだマイキーにとっては仲間かー」

「ん?どいうこと?」

「いやぁ、なんでもな〜い。」

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作者名: | 作成日時:2021年9月24日 20時

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