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16、出会い ページ17

「おーい雪ぃ。さっさと飲みもん買ってこいやぁ」

「はいっ!」


私の住んでいる地域で名を馳せていた愛目會に目をつけられた私は地獄の日々を過ごしていた。


「雪ぃ!今日の相手はこいつなぁ!!」


喧嘩賭博。

負ければ袋叩きにされる。

もともと喧嘩の強い私は負けることがほとんどなかった。

でも、今日は負けてしまった。

相手の体格は私より小さくて細っこかったのにとてつもなく強かった。



「雪ぃ!!なに負けてんだよあんた!」



今日も喧嘩賭博が終わり、その声が会場に響いた。

まだ、観客は残っている。

振り上げられた手はいくら待ってても降りてこなかった。



『おい、ブス。キモい事してんじゃねーぞ。』



トップの手を止めたのは紛れもなく、さっきまで私と戦っていた相手であった。

 
「てめぇ!誰に口きいてんだ!!ぶっ殺すぞ!」


殺す。

その言葉が聞こえた瞬間、トップのこめかみに命中する蹴り。


そのまま倒れ込みそうになったところを足で顎を蹴り上げ、倒れたところを何度も何度も踏み潰す。


『はぁ?何言うてんねん頭湧いとんのか?』


ドカッドカッ


鼻から血が出ているトップの髪を引っ張り、しゃがんだ彼女は自分の顔の前に無理やり持ってくると彼女は光の宿らない目でこう言った。



『なんや我、もういっぺん言ってみぃ?うちがお前のことぶっ殺してやるからよぉ。』



その言葉を聞いた瞬間、トップとその他のもの達は走って逃げ去っていった。



「あんた…強すぎ…」



そう言うと振り返った彼女はニカッと笑った。



『あんた、カッコいいから好き!友達になってよ!』


これがAと私の出会いだ。

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作者名: | 作成日時:2021年9月24日 20時

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