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｢牛の骨なら良くて、人間の骨はダメ？｣
｢あ…｣
脈が早くなっていく。
『お願い誰か、誰か助けて』
あの日の光景と重なる。
｢誰が決めたんだい、そんなこと！？｣
医師が大きく手を振りあげ、
『誰でもいい、なんでもいい、僕達を助けて』
胸にナイフを突き刺した。
飛び散る血。
蘇る記憶。
｢うわああああああああ！！！｣
耳に手を当て、シエルは叫んだ。
ガタガタと体が震えだし、足から力が抜ける。
倒れかけたシエルを咄嗟に支えたのは、Aだ。
｢ッ大丈夫？！｣
必死に呼びかけるが、シエルには届かない。
焦点が定まっていない様子に、Aは何が彼をここまで怯えさせるのか、彼に一体何があったのか…そんなことを頭で考えながらも、咄嗟にシエルの体を抱きしめた。
大丈夫よ、大丈夫だから。
そう伝えるように体を抱きしめ、伸ばされた手を取った。
｢…ッ…｣
シエルの体の震えが少し納まった。
それでもAは体を離すことはせず、寧ろより力を強めて抱きしめた。でないと、シエルが壊れて消えてしまいそうだと思ったからだ。
｢坊ちゃん｣
セバスチャンはスッと片膝をつき、シエルの眼帯を外した。
｢何を恐れる事があるのです。
貴方は今、檻の外にいるのですよ。
さぁ、私の名前を呼んで｣
Aの温もりとセバスチャンの呼び掛け。
その2つによって少しづつ正気を取り戻したシエルは、縋るようにAの背中に手を回し、うわ言のようにセバスチャンの名前を連呼した。
｢セバスチャン…こいつらを殺せぇぇッ！！｣
それは一瞬だった。
医師の胸をセバスチャンの手が貫いた。
次に虫の息の男爵の頭を踏み潰し、最後にジョーカーに視線を向けた。だが彼は既に息絶えていた。
｢終わりましたよ｣
｢燃やせ｣
間髪入れず、そう命じた。
｢燃やせ？ここをですか？｣
｢ああ｣
｢ですが坊ちゃん、女王陛下のお手紙から察するに今回の任務は事件の犯人捜しと子供達の救出では？すでに犯人は｣｢うるさい、黙れ！｣
正気にこそ戻れど、まだ冷静な判断を下すことは出来なかった。
ただ、この場にあるもの全てを無に帰したい。
彼の頭にあるのはそれだけだ。
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向日葵 - 更新されてて嬉しくて一気に読んじゃいました！お忙しいとは思いますが、続き楽しみにしてます！ (4月16日 2時) (
レス) @page34 id: cb9e52fa3f (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ(プロフ) - 続きください！楽しみにしてます✨ (3月4日 21時) (レス) @page25 id: 42fa138aff (このIDを非表示/違反報告)
しゅな(プロフ) - 更新ありがとうございます！( ；__；)大好きです！すごい面白い展開で、楽しみです、、！応援してます！ (2月1日 0時) (レス) id: 4012986507 (このIDを非表示/違反報告)
心美 - 最初見たときびっくりしましたよ！私の名前と全く同じ〜なんか嬉しいです！続き楽しみにしてます。 (7月23日 10時) (レス) @page7 id: b5a6a9d7fe (このIDを非表示/違反報告)
あられ - えー！！ここで終わってしまうの勿体無いです…更新される日を待ってます… (2022年11月3日 23時) (レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHION* | 作成日時：2021年11月23日 0時
