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｢ああ...夢みたいだ！君がこんな近くにいるなんて！」
頬を高揚させ、嬉しさを隠し切れない様子のケルヴィン男爵。
そんな彼に反し、シエルとAの表情は冷めきっている。
｢貴殿がケルヴィン男爵か？」
｢そうだよ。改まると照れるな。君のためにごちそうを用意したんだ」
男爵はシエルに相当の好感を抱いているようだ。いや、シエルの生まれ年のワインまで準備させているところを見ると、崇拝の域に達しているといってもいい。
テーブルにワインが出されると、セバスチャンが先に手に取り毒見をする。
｢毒は入っていないようです」
｢ﾌﾝ、ネズミに出された料理などに手を付ける気などない。毒見は不要だ。
____それより、あの子供たちは」
シエルの視線の先には、給仕をしている子供たちがいた。
元々この事件は子供の失踪から始まり、この屋敷にも子供たちを連れ戻すために訪れている。もしかしたら、今目の前にいる子供たちが例の件の該当者なのではないか。彼はそう言いたいのだろう。
｢もし予想通りなら、警察に上がっている以上に被害者の子がいるかもしれないわね」
｢ああ、だがあの様子は...」「そうだっ」
子どもたちは皆瞳に生気が宿っていない。シエルはそんな彼らに思い当たることでもあるのか、何か言いかけたが、それを男爵の声が遮った。
｢ただ食事をするだけじゃ伯爵も退屈だよね。
ジョーカー、アレをやっておくれ」
｢え、しかし」
｢いいからやってよ」
アレが何を指しているのかわからないが、良いことではないとジョーカーの様子から見て検討がついた。
けれど、男爵の言葉には逆らえないのか、ジョーカーは暗い表情から一転、サーカスの講演のように笑顔で進行を始めた。
｢ようこそおこしやした。今宵は特別に貴方達をめくるめく歓喜の世界へとお連れ致しますえ」
シュルルルとステッキを回すと、子供たちが壇上に出てきた。
｢まずは綱渡りにございます」
ライトが照らす場所には、子供がいた。その子供は、綱渡り用のロープ前に立っているのだが、通常の綱渡りと違ってその子には命綱が付いていなかった。
｢命綱などは一切なし。正真正銘の」
話している間にも、子どもは綱を渡り始め...落ちてしまった。
｢っ！！」
｢な...」
驚愕に目を見開くAとシエルの横で、男爵は手を叩いて喜んでいた。
＿＿正気じゃない...
異常者を見る目で男爵を見るが、当の本人は未だにニコニコしながら演目を見ていた。
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向日葵 - 更新されてて嬉しくて一気に読んじゃいました！お忙しいとは思いますが、続き楽しみにしてます！ (4月16日 2時) (
レス) @page34 id: cb9e52fa3f (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ(プロフ) - 続きください！楽しみにしてます✨ (3月4日 21時) (レス) @page25 id: 42fa138aff (このIDを非表示/違反報告)
しゅな(プロフ) - 更新ありがとうございます！( ；__；)大好きです！すごい面白い展開で、楽しみです、、！応援してます！ (2月1日 0時) (レス) id: 4012986507 (このIDを非表示/違反報告)
心美 - 最初見たときびっくりしましたよ！私の名前と全く同じ〜なんか嬉しいです！続き楽しみにしてます。 (7月23日 10時) (レス) @page7 id: b5a6a9d7fe (このIDを非表示/違反報告)
あられ - えー！！ここで終わってしまうの勿体無いです…更新される日を待ってます… (2022年11月3日 23時) (レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHION* | 作成日時：2021年11月23日 0時
