その執事、観望 ページ28
シエルたちが屋敷に足を踏み入れると、ジョーカーが指を鳴らした。すると、ボボっと音を鳴らしながら周辺のロウソクに火が灯る。
見えたのは、屋敷一面に飾られた人形たちだった。
飾り方やその量は、とてもじゃないが常人の屋敷とは思えない。
人形への執着心に、Aは恐怖を覚えた。
｢こちらです｣
ジョーカーは奥の階段にいた。
三人はジョーカーに続き、階段を登っていく。
｢どう致しますか？彼を殺して今すぐ子供を救出しに？｣
｢待て。まだ子供達が生きているならまずは
｢かしこまりました｣
今後の動きを小声で確認していると、突然ジョーカーが笑いだした。
｢人は見かけによらへんってホンマやったんやね。
あんさん、そんな小っこい体で芸名が『女王の番犬』で『悪の貴族』か。難儀やなぁスマイル｣
その名はサーカス団にいた頃に貰った芸名だ。
だが今ここにいるのはサーカス団の団長と団員ではない。彼は悪の貴族として、女王の命でここにいる。スマイルの名はもう、捨てたのだ。
｢僕の名前はシエル・ファントムハイヴ伯爵だ。使用人が気安く声をかけるな｣
普段ならば誰相手にも柔軟な考えで向き合うシエル。自身の屋敷の使用人たちにも、貴族の偏見なく接している。
けれど今は違う。相手は今回狩りにきた、この事件の首謀者一行なのだから。
身分による差別に嫌悪感を抱くAですら、今は何も言わずにシエル同様に冷たい眼差しをジョーカーに送っているのも、それが理由だった。
二人の言葉と眼差しに、ジョーカーは昔を思い出した。
｢…確かに、お貴族様どすな｣
ごみ溜に捨てられた自分たちを見る、貴族たちのことを。
ーーー
ジョーカーは一室に、三人を通した。
｢晩餐の準備が整っております。こちらへ｣
引かれた椅子に腰掛けると、車椅子の音が聞こえてきた。
｢おいでのようです｣
黒幕が現れた。
｢きっ、来てくれたんだね。ファントムハイヴ伯爵｣
子供二人に車椅子を押されながら姿を現したのは、顔を包帯で覆うふくよかな男だった。その包帯は片目と口だけを残し、全て覆っている。見た限り、髪の毛も生えていないだろう。
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向日葵 - 更新されてて嬉しくて一気に読んじゃいました！お忙しいとは思いますが、続き楽しみにしてます！ (4月16日 2時) (
レス) @page34 id: cb9e52fa3f (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ(プロフ) - 続きください！楽しみにしてます✨ (3月4日 21時) (レス) @page25 id: 42fa138aff (このIDを非表示/違反報告)
しゅな(プロフ) - 更新ありがとうございます！( ；__；)大好きです！すごい面白い展開で、楽しみです、、！応援してます！ (2月1日 0時) (レス) id: 4012986507 (このIDを非表示/違反報告)
心美 - 最初見たときびっくりしましたよ！私の名前と全く同じ〜なんか嬉しいです！続き楽しみにしてます。 (7月23日 10時) (レス) @page7 id: b5a6a9d7fe (このIDを非表示/違反報告)
あられ - えー！！ここで終わってしまうの勿体無いです…更新される日を待ってます… (2022年11月3日 23時) (レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHION* | 作成日時：2021年11月23日 0時
