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セバスチャンによってベッドに降ろされると、その柔らかさと香りに、やっとシエルは一息つけた。
マナーなど忘れ、大の字で大きく息を吐いている。
｢確かに、坊ちゃんは嘘や秘密が多くていらっしゃいますよね」
体を拭くようのお湯を用意しながら、セバスチャンは先程のソーマの言葉に同意する。
｢坊ちゃんが幼少のみぎりからの持病をお持ちとは、私も存じ上げませんでした。何故お話し下さらなかったのです？」
｢聞かれなかったから答えなかっただけだ。それにもう治ってる」
セバスチャンとシエルの会話を、Aは混ざることなく黙って聞いていた。
何を考えているのか、いや、何も考えていないのか、その瞳は窓の外を見つめていて伺うことができない。
それに気づいたシエルは、もうこの話は終わりだとばかりに話を変えた。
｢そんなことより、紋章院で調べてきたことを早く報告しろ」
今回の事件のメインとなる重大な話なので、Aの視線もそちらへ向く。
とはいえ、シエルは着替え中なので直視はしなかったが。
｢紋章院...あの刻印の持ち主は、ケルヴィン男爵と仰るそうです」
｢ケルヴィン？」
｢知り合いなの？」
名前に反応したことから知り合いなのかとAが聞くと、幼い頃にパーティーで挨拶くらいしたような...と、朧気な記憶を話してくれた。
｢まあいい。名前さえわかれば十分だ。出かけるぞ」
リボンを結び、指輪を着け、いつものファントムハイヴ伯爵の姿へと戻ったシエルは、マントを翻してそう言った。
エスコートをするようにシエルから手を差し伸べられたAは、その手を取って椅子から立ち上がる。
セバスチャンが扉を開け、外へ向かおうとした時だった...
｢え？」
扉の前に、アグニが立ち塞がっていた。
｢ふふふふ、甘いぞシエル。俺が守っているこの街屋敷から簡単に出られると思うなよ！お前は絶対に風邪を引いている。それをこの屋敷の総督であり、お前の親友である俺が見過ごすワケにはいかん！」
アグニの背後から出てきたソーマは、そう言いきった。
｢誰が親友だ。ふざけたことを言うな」
シエルはこれから番犬として仕事に向かうので、ここで止められるわけにはいかない。
ソーマを無視して玄関へ向かおうとするも、ソーマの命令によってアグニに阻止される。
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向日葵 - 更新されてて嬉しくて一気に読んじゃいました！お忙しいとは思いますが、続き楽しみにしてます！ (4月16日 2時) (
レス) @page34 id: cb9e52fa3f (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ(プロフ) - 続きください！楽しみにしてます✨ (3月4日 21時) (レス) @page25 id: 42fa138aff (このIDを非表示/違反報告)
しゅな(プロフ) - 更新ありがとうございます！( ；__；)大好きです！すごい面白い展開で、楽しみです、、！応援してます！ (2月1日 0時) (レス) id: 4012986507 (このIDを非表示/違反報告)
心美 - 最初見たときびっくりしましたよ！私の名前と全く同じ〜なんか嬉しいです！続き楽しみにしてます。 (7月23日 10時) (レス) @page7 id: b5a6a9d7fe (このIDを非表示/違反報告)
あられ - えー！！ここで終わってしまうの勿体無いです…更新される日を待ってます… (2022年11月3日 23時) (レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHION* | 作成日時：2021年11月23日 0時
