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｢誰があそこまでやれと言った！？」
講演終了後、シエルはセバスチャンに説教しながら馬車までの道を歩いていた。
｢申し訳ありません。長い間生きていますが、猫だけは本当に気まぐれで気分が読めませんね...」
言葉では謝罪をしているが、その表情を見るに反省の意思はない。むしろほくほくとご満悦な様子だ。
｢セバスチャンにとっては、虎も猫も一緒なのね」
Aがそう言うと、セバスチャンは当然ですとばかりに頷いた。
｢もちろんです。お嬢様も猫はお好きでしょう？」
なのに虎は嫌いなのかと、不思議そうな表情を浮かべている。
確かに彼からしたら猫も虎も同じひ弱な存在なのだろうが、人間である彼女にとっては全く違う存在だ。
｢人間にとって、虎と猫は違うのよ」
｢おや、そうなのですか」
初めて知ったと言わんばかりの表情に、Aはクスクス笑いながら「そうよ」と返した。
｢虎も猫と同じ、とても愛くるしい存在なのですがね」
｢セバスチャンにとってはそうでしょうね」
イライラしているシエルを意に介さずに二人で猫トークをしていると、後方から呼び止める声が聞こえた。
｢ちょっとそこの燕尾服のあんさん！！」
燕尾服と言ったら、周りにはセバスチャンしかいない。
振り向くと、走ってくるのはショーに出ていた道化師だ。
｢さっきはえろうすんませんでしたなあ」
｢いえ、こちらこそ失礼しました」
確かに、あれはどう考えてもサーカス団側に非はない。
｢ビックリしましたえ。急に虎に近寄っていかはるから。さっき噛まれたトコ大丈夫どすか？」
シエルはAの手を引いて二人から離れ、物陰に隠れる。対象の人物に顔と身分が割れるのは今後の調査に影響を与えかねないため、とっさに取った行動だ。
｢とにかくウチに専属のお医者はんがいはるんで、診てもろた方がええと思って。どーぞ裏へいらして下さい」
これは、サーカス団の実態を知れるまたとないチャンスだ。
セバスチャンは物陰にいるシエルに視線を送る。
シエルは声に出して返事をする代わりに、一度頷いた。
その答えを受け、セバスチャンは口元に笑みを浮かべると、
｢では、遠慮なく」
相手の申し出に、了承の返事を返した。
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向日葵 - 更新されてて嬉しくて一気に読んじゃいました！お忙しいとは思いますが、続き楽しみにしてます！ (4月16日 2時) (
レス) @page34 id: cb9e52fa3f (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎ(プロフ) - 続きください！楽しみにしてます✨ (3月4日 21時) (レス) @page25 id: 42fa138aff (このIDを非表示/違反報告)
しゅな(プロフ) - 更新ありがとうございます！( ；__；)大好きです！すごい面白い展開で、楽しみです、、！応援してます！ (2月1日 0時) (レス) id: 4012986507 (このIDを非表示/違反報告)
心美 - 最初見たときびっくりしましたよ！私の名前と全く同じ〜なんか嬉しいです！続き楽しみにしてます。 (7月23日 10時) (レス) @page7 id: b5a6a9d7fe (このIDを非表示/違反報告)
あられ - えー！！ここで終わってしまうの勿体無いです…更新される日を待ってます… (2022年11月3日 23時) (レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHION* | 作成日時：2021年11月23日 0時
