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「へぇ〜、Aっていうんだ」
でも別に、俺はナンパしてるわけじゃないと彼からも否定の言葉を伝えるが、ううさぎちゃんは聞いちゃいない。
「ナンパする奴はみんなそういうのよ」
こりゃダメだと男性は思ったのか、うさぎちゃんをスルーして私に話しかけてきた。
「お前、不思議な雰囲気してるよな」
「え?」
雰囲気?
もしかして私が感じている何かを、この男性も感じてるのかな?
困惑する私を見て、男性はクスリとほほ笑んだ。
「また会えるといいな。じゃあな」
ベンチを飛び越え、颯爽と立ち入り禁止の中に入っていく。
「ちょっと、そっから先は関係者以外入っちゃいけないんだからね!」
「俺、一応関係者だから」
お団子もまたな、と彼は言った。うさぎちゃんは彼の態度とお団子と言われたことが気に食わないようで、拳を握りしめている。
突然現れ、颯爽と消える人。まるで流れ星のようだ。
「...みんなの所に戻ろうか」
未だに彼が姿を消した方を睨んでいるうさぎちゃんに、苦笑交じりにそう伝える。
みんなには何も言わずにここに来ちゃったから、きっと心配しているはずだ。早く戻らないと。
だが、その時だった。
「きゃあー!!」
女性の叫び声が聞こえてきた。
「なに?」
「行ってみよう」
叫び声が聞こえた場所まで走る。
見えたのは、おびえた表情で後ずさりしている女優のアリスちゃん。次に見えたのは、アリスちゃんに迫る白い服を身にまとった女性。明らかに普通の人ではない、
白い服の女性は、アリスちゃんに何か言うと、彼女に向けて攻撃を放った。その攻撃はアリスちゃんに命中し、苦し気な声を上げる。
何?
物陰に隠れて見ていると、額から出てきたのは、宝石のように白く輝く何か。
っ!
「うさぎちゃん」
「うん!」
胸元のブローチを手に取り、掲げ、叫ぶ。
「コスモス・クリスタルパワー」
「ムーン・エターナル」
「「メイク・アップ!!」」
セーラー戦士へと姿を変え、敵のもとへ向かうと、敵は不満げな表情をしていた。視線の先には、真っ黒になったなにか。おそらく、先程まで白く輝いていたものが黒くなったのだろう。
「こんな弱弱しいスターシードは、私が求めていたものじゃないわ」
スターシード?
聞きなれない言葉に、新たな敵が地球に攻め込んできたのだと分かった。
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作者名:SHION* | 作成日時:2022年10月20日 22時