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ソファに腰を掛け、テレビを見ていると、はるかさんとみちるさんがやってっ来た。
「それで、あの子の様子はどう?」
あの子とは、うさぎちゃんのことだ。はるかさん達にも衛さんの件は伝えてあった。それによるうさぎちゃんの心配事も。
「帰るときは元気だっけど、でも、やっぱり寂しいみたいで...
ちびうさちゃんも未来に帰ったばっかりだし」
浮かぶのは、帰り道での会話。
この機会にもっと可愛くなって、戻ってきたまもちゃんを驚かせるんだと意気込んではいたけど、その笑顔はどこかぎこちなかったようにも思える。頭で納得はできていても、心はまだ整理ができていないのだろう。
「なら、そばにいてあげなくてはね」
「そうだね。特別に何かをせずとも、あの子のそばで普段通りに接する。それはきっと、あの子にとって力になるはずだ」
はるかさんらしい考えだ。
「うん」
いつも通りの日常を送る。そうしていれば、気づけば衛さんが帰国する日になっているだろう。
「でもあの二人を見ていると、恋愛もいいなって思うの」
幸せそうに、お互いを思いあううさぎちゃんと衛さん。それは前世から続く想い。
前世含め、恋愛とは無縁の生活を送っていた身としては、彼らは憧れの存在だった。
「あら、珍しい」
「僕たちのプリンセスも、遂に恋愛に興味を抱いたらしい」
クスクス笑う二人は、まったく取り合ってくれない。本気なのにと、少し拗ねる。
それに益々笑うはるかさんとみちるさん。
「この後はあの子達と予定があったのでは?」
「あ、そうだった」
時計を確認しながら、紅茶を飲み終える。
「送っていかなくて平気かい?」
「場所は近くだから」
「気を付けてね」
「はーい」
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作者名:SHION* | 作成日時:2022年10月20日 22時