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うさぎちゃんと一緒に美奈子ちゃんの後を付いていくと、到着したのはスタジオだった。
そこでは、スリーライツの三人がボイストレーニングをしていた。
「アレ何やってんの?」
「何って、ボイストレーニングでしょ」
「ボインクリーニング?」
「ボインをクリーニングしてどうする...って、何でうさぎちゃんがここにいるのよ。それにAちゃんまで」
美奈子ちゃんは私たちが付いてきたことに今気が付いたらしい。
すぐばれるかなと思っていたけれど、案外いけるのかもしれない。
「えへへ、だって何か面白そうだったんだもん。後付けて来ちゃった」
「私はうさぎちゃんが心配だったから」
ごめんねと謝ると、「もう、しょうがないんだから」と言って許してくれた。
カシャ カシャ
突然、後ろからシャッター音が聞こえてきた。何かと思って振り向くと、カメラを抱えた女性がスリーライツを撮影している。
ファンの人だろうか?
一瞬そう思ったけれど、彼らを撮る彼女の表情があまりにも真剣で、すぐにそれは違うと思った。どちらかというと、お仕事でみちるさんの写真を撮るカメラマンさん達と似ている気がする。
でも、身元が分からない女性がアイドルである彼らを撮っているのは事実なので、付き人の美奈子ちゃんとしては黙っていられない。
けれど、写真は困ると美奈子ちゃんが注意するも、逆に邪魔扱いされてしまった。
「な、なによ」
その後も撮り続ける女性に、美奈子ちゃんはイライラしていた。
――
場所が変わって、次にスリーライツがやってきたのはサイン会場だった。
数えきれないほどの女の子達が、三人に詰め寄る。
「すごい人の数」
「ねぇ」
女の子たちにばれないように裏からその様子を見る私とうさぎちゃん。
ちなみに美奈子ちゃんは堂々と三人の横に立ち、自分の売込みまでしていた。
さすがね、美奈子ちゃん...
「あ、あの人」
指差す先には、先程スタジオにいた女の人がいた。
彼女はここでも彼らの写真を撮っているらしく、わざわざ脚立にまで乗っている。
やっぱり、お仕事の人なのかな?
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作者名:SHION* | 作成日時:2022年10月20日 22時