銀河最強の戦士と中立の戦士 (ページ3)

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1話ページ3

プツンと、何かが途切れる気配を感じた。その何かを探るべく空を見るが、何もつかめない。

まただ...
ここ最近続く妙な感じ。その正体は未だつかめないが、何かが起こっているのは間違いない。

みちるさんの鏡にも映らない何か。一体何が起こっているのだろう。

｢Aちゃん？」

突然足を止めてしまったので、うさぎちゃんがどうしたのと声をかけてくれた。その隣には、うさぎちゃんの恋人である衛さんもいる。

｢あ、ごめんね」

今日は、渡米する衛さんの見送りにうさぎちゃんと来ていた。けれど、さすがにこれ以上恋人たちの時間を邪魔をするつもりはない。うさぎちゃんに私はここら辺で待っていると伝え、その場を立ち去った。

＿＿＿

少し離れた場所で時間をつぶしていると、大勢の女性が歩いてくるのが視界に入った。

｢芸能人でもいるのかな？」

私の立ち位置は、その集団に当たるところだ。このままそこにいては巻き込まれてしまう。そうなったら抜け出すのは一苦労だと思い、そそくさと離れた。

｢どけよ！！」

人ごみの中から聞こえた男性の声に驚き、視線を向けた。

すると、人ごみをかき分けるようにして、一人の男性が出てきた。長い黒髪に、サングラス姿が特徴的な男性。年齢は見た限り、私と近そうだ。

その姿を捉えた時だった。胸の奥がドクッと高鳴った。

感じる。

彼から強い星の輝きを。星に愛し、守られるものだけが発する輝きを。

なぜ彼から。彼は一体、何者なの。

その瞬間、確かに私と彼の視線が重なりあった。ピリリと、電流が体を流れるような感覚が体を襲う。何かが体の奥底から湧き上がってくるようだ。本能のままに言葉を吐き出しそうになった、まさにその瞬間だ。衛さんとの別れを済ませたうさぎちゃんがやってきた。
お待たせと肩を叩かれると、先程までのことが嘘のように感覚が元に戻った。

男性も一緒にいた人に声をかけられており、視線が合うことはない。

あの感覚は何か。男性は何者なのか。疑問が浮かぶが、今は一刻も早くその場から立ち去りたいという思いの方が強かった。どうかしたのかと尋ねてくるうさぎちゃんの手を引いてその場を離れた。

＿＿＿

飛び立つ飛行機を、うさぎちゃんは笑顔で見送っていた。来た時よりは幾分か晴れやかだ。

｢話はできた？」

｢うん、ありがとう」

｢どういたしまして」

帰ろうか、と声をかけて空港を後にする。その頃には、頭から先程のことは抜け落ちていた。