2話 ページ12
放課後、私とうさぎちゃんは昨日の件を話しながら帰路を歩いていた。
「昨日のこと、みんなにどう話せばいいのかな?」
「まだ相手がどういう奴か分からないし、もう少し様子を見てもいいんじゃないの?」
ルナの言うことも一理ある。伝えるならば、もう少し敵の情報が集まってからのほうがいいかもしれない。
「Aははるかさん達に言った?」
「ううん、まだ」
本当ならば、伝えておいた方がいいのかもしれない。彼らは私の守護戦士であり、ともにこの宇宙を守るセーラー戦士だ。でもなぜか、あの三人を悪い人たちだとは思えなかった。そこに明確な答えはないけど、なぜかそう思ったのだ。
考え込みながら、曲がり角を曲がった時だった。
「わ!」
「うわぁ!」
ドンッと、何かにぶつかった。
「あ、ごめん。大丈夫?」
「だ、大丈夫です。こちらこそ余所見をしていてすみませんでした」
慌てて立ち上がろうとすると、急にうさぎちゃんが大声を上げた。何かと思い視線を向けると、そこにいたのは昨日撮影場所にいた男性だった。どうやら彼とぶつかったらしい。
「あっ!お前ら昨日の。大丈夫か?」
起き上がるのに手を貸してくれたので、お礼を伝える。
「怪我は?」
「大丈夫です」
再度謝罪とお礼を伝えていると、うさぎちゃんがそろ〜と顔を出し、いつまでAちゃんの手を握ってんのよと言って彼の手を払った。
その後も一見すると仲良く見えるうさぎちゃんと彼の会話を聞いていると、彼が来た方から二人の男性がやってきた。
「星野、何やってんの?」
「早く行きますよ」
「ああ、今行く!じゃあな、A」
ポンと頭に置かれた手。それをはるかさんたち以外にやられたことがないので、少しドキッとした。
「ついでにお団子も」
「ついでって何よ!」
男性はヒラヒラと手を振り、歩いて行った。
「何、あいつ。ちょっと顔がいいからって」
「だいぶいいわよぉ」
男性を見るルナの目は、ハートだった。
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作者名:SHION* | 作成日時:2022年10月20日 22時