Will get married.【梶裕貴】

良かった…俺で ページ15

「え、そうだったの？」

「…もう…せっかくサプライズにしようと思ってたのに暴露しちゃったじゃんか」

「じゃあ、さっきの特別な存在とかって…俺？」

「…そ、そうだよ！」


なんだこれ…

お互いに顔真っ赤にしちゃって
どっちがリードするのかわかんないよ

「なんか、ごめん…」

「ううん、いいよ最終的には言うんだし」

そうだよ、何もサプライズにしないと想いが伝わらないわけじゃない。

「………」

すると、私の手をそっと掴んで顔に近づけた。


「え…ち、ちょ、梶くん！…っ！」


そして、左手の手の甲についたチョコを舐めとった。

「さっき本気で妬いた…」

「え？」

「よかった…俺で」


「そんなに嫉妬してたの！？架空の人に！？」


「架空でも焦るよ！

Aちゃんだって逆の立場だったら妬くでしょ！？」

「そうだけど…」

「あー、帰ってきて早々心が折れるかと思った。」


そうやって伸びをして部屋に戻ろうとする後ろ姿に抱きついて引き止めた。


「わっ、ちょ、Aちゃ…っ」

「隙あり。さっきの仕返しだよ」


「口にするとか…倍返しでしょ？」

ちょっと困った顔をすると、すぐに笑ってくれた。


「チョコ臭すごいね」

「朝からやってたからね、甘い匂いするよ」

「……それは、誘ってますか？」

「ち、違う！」

「はいはい、食べるにはまだ時間が早いからね。

俺、また出なきゃいけないから、帰ってきたらにしようかな」


「なんで食べる前提なの！？」

「え？嫌？」

「…そうやって聞けば私が断れないの知ってるでしょ」

なんて、ちょっと嬉しかったりして。

俺に託してよ→←嘘なんかつけなかった。

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