聖ブリリアント学園にやって来たのは王子のような女王様でした【綾小路 葵】

Story5 ページ6

You side

貴『…いい風だ』

ここは聖ブリリアント学園の屋上。

空は青く、心地良い風が私の髪を優しくすり抜ける。

…と言いたいところなんだが。

奏「僕がAさんの隣です」

誠一郎「いくらお前の頼みでも、それだけは聞けないな」

葵「ﾌﾝｯ、幼稚だな。A、一緒に食べよう」

竜「ってめぇ、抜けがけしてんじゃねぇよ」

陸「そうですよ、今からじゃんけんで決めるんですから」

…昼食くらい、静かに食べさせてくれ。

元「皆さん、それくらいA様の事が好きなんですよ。私達で先に食べてましょうか」

貴『そうだな』

白熱とした王子達を横目に、元と並んで昼食を取る。

誠一郎「なっ…貴様、抜け駆けとは感心しないぞ」

元「だってA様、お腹空いてそうな顔をしていたので…先に食べて頂いてるだけですが」

ナイス元。

私は今朝、食事を取らなかったので空腹が限界に達していたのは事実。

貴『なぁ元、私の第一側近にならないか？不自由は一切させないぞ？』

元「えっ!!いいんですか!?」

誠一郎「貴様、奏を裏切るのか」

元「う、裏切るなんてとんでもない…微塵も揺らいでませんし？ﾊﾊﾊｰ((」

悪い話じゃないと思ったんだがな…





葵「冗談はさておき、今日の全校集会でAが話すんだな？」

貴『あぁ。葵の手を煩わせる訳にはいかないからな』

仮にも副生徒会長。

会長より働くのは、当然だろう。

奏「頑張ってくださいね、Aさん」

貴『当たり前だろう？私は何事にも手を抜かない』

昔から【中途半端】や【テキトー】という言葉が大嫌いだった。

全て全身全霊捧げないと、気が済まない。

…まぁ、そのせいで何度も皆に迷惑かけたんだけど。

葵「…聞いた話だが、Aは明日からの登校らしいな」

貴『…知らん』
✄--------------- ｷ ﾘ ﾄ ﾘ ---------------✄
あれ、Aさん貴方って天然キャラでしたっけ。

Story6→←Story4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す