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ｰ３６ｰ S ページ12
｢あのさ…ずっと言おうと思ってタイミングがなかったんだけど…やっぱり言うね。付き合ってるんだから名前で呼んで欲しい。｣
『名前ですか！？恥ずかしいです…』
｢お願い。翔って呼んで。｣
周りからしたら伝えたいことってそんなこと？って思うかもしれない。
けど、俺にとっては大事なこと。
『翔…くん？』
恥ずかしそうにしながらも呼んでくれる姿が可愛くて頭をポンポンした。
その時、一瞬顔が曇った。
すぐに話を切り替えた。
｢Aちゃん、目つぶって手だして。｣
すごく不思議そうに見つめてくる。
それでもやってくれた。
小さな掌にイルカのぬいぐるみのストラップを置いた。
｢目、開けていいよ。｣
『これ…私が欲しかったやつ…』
嬉しそうに笑ってくれた。
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作者名：さー | 作成日時：2019年7月14日 21時
