3. ひみつのはなし。 ページ3
身体を洗い終え、広い浴槽に入る。
すると後を追うように春奈が隣に座る。
「……ナーニ？」
何が聞きたいのかは何となく分かっていた。
昨日佐久間クンとのことがあってから私の異変に敏く気付いていたみたいだったから。
「…昨日飲み物を買いに行ってくるって出て行った時、なにかあったでしょ？」
昨日の事を早く忘れたいのに、これじゃあ忘れられないじゃないか。
そもそも、これが無くても忘れられるとは思えないが。
……いっそのこと相談でもした方がいいのだろうか。
でもまだ気になっている段階で、恋人になりたいとかでもない。
頭の中で様々な考えが交差する。
気付くと私は大きなため息をついていた。
「ふふ、珍しいじゃない。そんなに悩むなんて。
悩み事は早めに相談した方がいいわよ？」
「私たちにできることがあれば、協力するから…！」
そう言って木野先輩と冬花先輩が座る。
私は少し考えた後に、3人に話すことにした。
昨日、飲み物を買いに行ったときに佐久間クンと会って話をしたこと。
そして少しときめいてしまった事、その気持ちを忘れようとしていたこと。
それを全部話した。
話し終えると3人は目を潤ませて口を押さえ、ぷるぷると震えていた。
「なるほどね…、
ちょっと気になったんだけど、どうして気持ちを忘れようとしたの？」
のぼせたのだろうかと心配していると、ゴホンと咳払いをした後に木野先輩がそう尋ねる。
「真帝国の時散々な目に合わせたし…帝国に入ってからも好き放題してたし…
そんな奴に好かれたって気味悪いし嫌だろ？」
自分で言っていて少し悲しくなってくる。
でもこれはすべて事実で……だから……、
「そうかしらねぇ〜〜、嫌いなら昨日みたいに助けようとしなかったんじゃない？」
「そうですよ！！見た感じすごく焦ってましたし〜、
大切なチームメイトって思ってくれてるんじゃないですか？」
〜続く〜
4. ひみつのはなし。2(木野視点)→←2. 怪しい…(春奈視点)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリィ | 作成日時：2022年9月11日 11時
