【イナイレ】どうか幸せに。3【佐久間次郎】 (ページ18)

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18.　ほんの少しの希望ページ18

翌日―――

その日は慌ただしい日々だった。

突然試合の日程が変わり、アルゼンチンと試合をして……。

当然兄ちゃんたちが不在のまま戦うことになり、負けてしまった。

だが一度も失点したことがないというアルゼンチンから1点をとることができた。

『キャプテン不在にも関わらずゴールを割られた』という事実はアルゼンチンの選手たちを驚かせた。

しかし初めて敗北してしまった私たちの空気は重く、どんよりとしてしまっていた。

ただ良い報告もあった。

影山との試合に勝ったということ。

そして兄ちゃんたちが”伝説の皇帝ペンギン3号”を会得したということだ。

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宿舎に戻ると、春奈がやたらと興奮しながら肩を叩いてきた。

春奈が指さしている方を見ると、鬼道クンと兄ちゃんと佐久間クンで作戦会議をしているようだった。

「もしかして今日の試合で仲良くなったのかも！！
　良かった……私ずっと心配してたの。」

そう耳打ちをし、満面の笑みを浮かべた。

2人で部屋を覗いていると、

それに佐久間クンが気付いて軽く手を振った。

そして兄ちゃんたちに声を掛けて私たちを指さす。

鬼道クンはにこにことこちらに手を振った。

恐らく春奈に向けたものだ。いつもの笑みとは違う。

そして春奈もそれに応えるように手を振る。

その姿がすこし羨ましくなってしまった。

此方を少しめんどくさそうに眺める兄ちゃんに手を振ってみる。

佐久間クンと鬼道クンはニヤニヤしながら兄ちゃんに何かを期待するように見つめた。

その視線に照れくさそうにこちらに手を振ってくれる。

「へへ……」

思わず笑みが零れてしまう。

「あーいた！二人とも～、そろそろ夕ご飯作るわよ～！！」

食堂の方から木野先輩が私たちに呼びかける。

「「はーい」」

私と春奈は急いで食堂へ向かった。