16. 星月夜2 ページ16
「2人の…って兄ちゃんの気持ちも？」
少し意外だった、佐久間クンは鬼道だけの味方だと思っていたから。
「あぁ、何となくだけどな。
……だからなんで不動がお前を行かせたがらないかも分かる。」
その言葉に少しむっとしてしまう。
だって私だって――――、
不満げな私に気付いてか佐久間クンは少し微笑む。
「お前の事を大事に思っているからこその判断だろう。
……影山は何をするか分からないからな。」
「私だって兄ちゃん――、私以外の皆が酷い目に遭ったら嫌だよ。
私、結構お前らの事気に入ってんだぜ？」
そう言うと驚き目を丸くする。そして嬉しそうに笑った。
「あぁ………、ありがとう。
そんなこと言ってくれるなんて思わなかった。」
その笑顔に折角落ち着いてきていた胸の鼓動がまた少し早くなる。
その中でもお前のことは少し特別に思ってる。
なんてそんなことは言えなかった。私はそこまで素直じゃない。
「でも……明日はやっぱりここに残っていてくれ。
……お前の事を大事に思っているのは不動だけじゃない。」
突然のその発言に思考が停止する。
それは佐久間クンも大事に思ってくれているということだろうか。
………、いや、佐久間クンはムダに責任感が強いところがある。
多分、帝国学園のキャプテンとして後輩は守らなくてはいけない。
そういうことだろう、恐らく。
「流石佐久間センパイは仲間思いの良いキャプテンだねぇ。」
そう言って佐久間クンの方を見ると少し驚いたような表情をした後に少し眉を下げて微笑んだ。
……あ、無理してる。
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作者名：リリィ | 作成日時：2022年9月11日 11時
